更新日: 2022.06.11 確定申告

確定申告と住民税申告の違い。住民税申告をしなくてよいケースは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

確定申告と住民税申告の違い。住民税申告をしなくてよいケースは?
よく耳にする所得税の確定申告に対して、実は「住民税申告」とよばれるものもあります。しかし、住民税申告をしたことがある人はそう多くないでしょう。というのも、住民税申告は確定申告や年末調整をしていれば原則不要であるためです。
 
そこで今回は、意外と知られていない住民税申告について、確定申告との違いや住民税申告をしなくてよいケースについて紹介します。
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住民税申告と確定申告の違い

確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間の「その年の所得」から所得税を計算して税金を納める手続きのことです。所得税は国税であり、毎年翌年の2月16日~3月15日までに所轄の税務署に届け出る必要があります。
 
一方、住民税申告は、1月1日~12月31日までの「前年の所得」に対して課税される住民税について必要な手続きのことです。住民税は国税ではなく地方税のため、居住する市区町村に「市民税・県民税申告書」を届け出る必要があります。
 

住民税申告をしなくてよいケース

実際のところ、住民税申告を個人が行うケースは限られています。というのも、確定申告や会社の年末調整によって所得に関する情報が税務署から市町村に送られた後、市町村が住民税について計算をするためです。その結果、市町村が個人の住民税を確定させ、それぞれ住民税の納付書を送付する流れとなっています。このため、多くの場合には自分で住民税申告を改めてしなくてよいのです。
 
一方、自分で確定申告を行わず、かつ会社での年末調整もない場合で、以下の条件に当てはまる場合には住民税申告が必要になります。

●給与所得以外で20万円以下の所得があった人
●退職をして年末調整をしていない給与所得者
●年金受給者の確定申告不要制度を利用した公的年金受給者で、年金以外の所得があった人

 

住民税申告をしないとどうなる?

確定申告も住民税申告も行わないと、以下のような事態になる可能性があるので注意が必要です。
 

・非課税証明書を取得することができない

非課税証明書は、銀行で住宅ローンを組むときや奨学金を申請するときなどに必要になる証明書です。給与所得がなく住民税申告が本来必要ない場合であっても、非課税証明書が必要になる場合には住民税申告が必要となるケースがあります。
 

・所得証明書を取得することができない

所得証明書は、国民健康保険料や介護保険料などの減額手続きの際に必要になる証明書です。保育園の入園や扶養親族の証明をするときなどにも必要となります。こちらも非課税証明書と同じく、給与所得がない場合であっても住民税申告をして所得がゼロであることを証明しておく必要があります。
 

確定申告と住民税申告は忘れないようにしよう!

所得税について、個人事業主などは確定申告をする必要があり、会社員はその手続きを会社側が年末調整で代わりに行ってくれています。税務署に提出されたデータは市区町村に送られ、そこで住民税が確定するので多くの場合には住民税申告をわざわざ行う必要はありません。しかし、一部の条件に当てはまる場合や各種証明書を取得したい場合には、住民税申告が必要となるので、忘れずに行うようにしましょう。
 

出典

国税庁 住民税に関する事項を記入する
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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