【不動産会社は教えてくれない!】「国民健康保険加入者」と「扶養に入っている方」は不動産の売却時に要注意!

配信日: 2022.06.25

この記事は約 3 分で読めます。
【不動産会社は教えてくれない!】「国民健康保険加入者」と「扶養に入っている方」は不動産の売却時に要注意!
不動産を売却するときには、多くの税金や諸経費が掛かります。不動産を売却したのに、思ったより手元に残るお金が少ないと感じた経験のある人もいるでしょう。しかし、まだ手元に残るお金が減る恐れがあります。本稿では、不動産会社が教えてくれない「費用」を紹介します。
八木友之

執筆者:八木友之(やぎ ともゆき)

宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

不動産会社が「教えてくれる」費用

不動産会社は、不動産を売却する経費について丁寧に説明をしてくれます。不動産を売却するときには、仲介手数料や測量、解体などの費用や、印紙税や登録免許税、譲渡所得税、住民税などの税金が掛かることについて説明してくれます。
 
しかし、不動産に関連する費用はほかにもあります。不動産会社が教えてくれない費用とは何があって、どのような方に関係する費用なのでしょうか。
 

国民健康保険の加入者は注意

まず、所有者が国民健康保険に加入している場合です。国民健康保険料は、定額の保険料と、所得により変動する保険料を合計した金額を納付します。所得により変動する保険料の計算に、不動産売却で得た利益が算入されるため、国民健康保険料が増額される恐れがあります。国民健康保険の加入者で、不動産の売却により利益が出ると見込まれる方は注意してください。
 
なお、会社員や公務員の方は不動産売却による健康保険料の値上がりはありません。会社員が加入する健康保険や、公務員が加入する共済保険は、不動産の利益による所得に影響されない計算方法を採るためです。
 

扶養に入っている方は注意

また、扶養に入っている方が不動産を売却する場合も、注意が必要です。不動産を売却した利益と、扶養の方の所得の合計が1年で48万円を超えてしまった場合、扶養から外れてしまいます。扶養の条件である所得計算は、不動産売却の利益を考慮するからです。
 
扶養を外れるのは、年収103万円を超えた場合と理解している人も多いかもしれません。しかし正確には、収入が給与所得のみの場合に、年収103万円までが扶養範囲と認められているだけです。パートなどの仕事をしている方の所得に不動産売却で得た譲渡所得が加わりますと、給与所得のみではなくなります。その場合は、年収48万円を超えると扶養から外れます。
 
扶養から外れますと、所得税の配偶者特別控除が利用できなくなります。所得税と住民税は、配偶者特別控除は最大38万円の控除が利用できるため、控除が無くなると課税も多くなります。
 

まとめ

国民健康保険に加入されている方や、扶養内の方が所有する不動産を売却するときには、利益が出るか確認してください。
 
もし利益が出る場合は、不動産を売却した翌年に国民健康保険料が上がることや、扶養から外れるということが起きるかもしれません。そのために思ってもみなかった出費が発生するということがないよう、売却を委託している不動産会社に、売却によって利益が出るのかなどを聞いておきましょう。
 

出典

名古屋市 国民健康保険料の計算方法・計算例について
愛知県豊田市 国民健康保険税 株式等の譲渡所得等の国民健康保険への影響
国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
 
執筆者:八木友之
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集