7月10日まで! 源泉所得税の納期の特例って?

配信日: 2022.06.27

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7月10日まで! 源泉所得税の納期の特例って?
7月10日は「源泉所得税の納付の特例」が適用される場合において、従業員などから徴収した源泉所得税の納付期限です。
 
そこで、現在経営者や個人事業主として人を雇用している、または雇用する予定のある方に向けて、源泉所得税の納期の特例とは何か、制度の概要や注意点について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

源泉所得税とは?

源泉所得税の納期の特例について確認する前に、まずは源泉所得税そのものについて確認していきましょう。
 
源泉所得税とは、従業員に支払う給与や、外注のフリーランスや士業の先生などに支払う報酬から、あらかじめ所得税分を差し引き(源泉徴収)、その翌月10日までに雇用主や依頼者たる会社ないし事業主が納付するものです。
 
給与や一定のフリーランス、士業などに支払う報酬について、会社や個人事業主は原則源泉所得税への対応が義務づけられています。そういった会社や個人事業主は源泉徴収義務者とよばれています。
 

源泉所得税の納期の特例とは

源泉徴収した所得税を都度翌月10日までに納付していたのでは、年間12回も所得税を納付することになります。規模の小さい事業者にとってはこの負担が重くなることもあります。
 
そこで設けられたのが、「源泉所得税の納期の特例」です。源泉所得税の納期の特例とは、源泉徴収した所得税は本来翌月10日までに納付すべきところを、下記のように年2回に分割して納付できるようになる制度です。


・1~6月までに徴収をした分:7月10日まで
・7~12月までに徴収をした分:翌年1月20日まで

源泉所得税の納期の特例は便利な制度ですが、給与の支払い人員が常時10人未満である事業者しか利用することができません。
 
また、この制度を利用するには「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」に必要事項を記載して、事業所の所在地を管轄する税務署に提出する必要があります。
 
申請書を提出した翌月分から、年2回に分割して納めることができるようになります。申請書提出以前の月の分に関しては、原則どおり、徴収した翌月の10日までに納付することになります。
 
例えば、2月に申請書を提出した場合、1月分は2月10日まで、2月分は3月10日までに納める必要があり、3~6月分をまとめて7月10日に納めることができるようになります。
 

源泉所得税の納期の特例の注意点は?

源泉所得税の納期の特例を利用すると、納付に関する手間が年12回から2回になるため負担が減り、今月は忙しくて納付手続きが取れなかったといった理由での納付漏れも防止することができます。ただし、その反面注意点もあります。
 
それは、1回に納める所得税の金額が大きくなるため、資金繰りに影響を及ぼす可能性があるということです。通常であれば都度すぐに納税するため、1回当たりの納税額も小さく経営に与える影響はそう大きくありません。
 
しかし、年2回に分割されるということは、1回に6回分の納税をまとめてすることになります。その間、手元に残っている資金のうち徴収した所得税分についての考慮を忘れて事業運営をしていると、納税資金が不足して納税できないということもあり得ます。
 
また、7月と1月の年2回の納税ということで、うっかり納付月であることを忘れて納付漏れということも起こり得ます。このようなことから、源泉所得税の納期の特例の利用に当たっては、常に源泉徴収した所得税の金額と納税スケジュールについて把握しておく必要があります。
 

源泉所得税の納付は7月10日までなのをお忘れなく

源泉所得税の納付の特例制度によって従業員などから徴収した所得税を年2回、7月と1月の2回の納付でまとめて済ませることができます。
 
このうち、7月に支払う分の納付期限は7月10日です。年2回の納付期日に遅れることのないよう、納税資金の確保とスケジュールの確認を進めておきましょう。
 

出典

国税庁 [手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
国税庁 No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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