更新日: 2022.07.06 その他税金

【退職後の住民税がきつい!】「住民税」は減免できる? 計算方法も解説!

【退職後の住民税がきつい!】「住民税」は減免できる? 計算方法も解説!
住民税は所得を得ている人に課税されます。住民税は前年の所得を基に計算するため、所得が途絶えても前年に所得があれば課税されてしまいます。
 
所得が無いときに課税されますと、納税が厳しくなるということが考えられるため、事前にどのくらいの課税額になるのか知っておくことが重要です。
 
本記事では、住民税の計算方法や減免制度、退職金にも住民税が課税されることなどを解説します。
八木友之

執筆者:八木友之(やぎ ともゆき)

宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

住民税とは


 
住民税とは行政サービスを行う財源として、その行政サービスを受ける地域に住む個人に課税される地方税であり、「市町村民税」と「都道府県民税」があります。
 
個人は市町村民税と都道府県民税を一括して市町村に納税し、市町村が都道府県に都道府県民税を納めます。
 

住民税の計算方法


 
住民税の計算方法は「所得割」と「均等割」の2種類に分かれます。住民税は所得割と均等割の金額を合計した金額が税額になります。
 
それぞれの計算方法を解説します。
 

所得割の計算方法

所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得金額×税率10%と計算します。計算の基になる金額は、収入金額ではなく所得金額です。
 
所得金額は、収入から医療費控除や社会保険料控除、配偶者控除などを控除した金額です。また、地方税のため自治体により金額が変わります。
 

均等割の計算方法

均等割は、定額で課税されます。市町村民税の税額は3500円で、都道府県民税の税額は1500 円です。なお、均等割も所得割と同じく自治体により金額が変動します。
 

住民税は退職金にも課税される

退職金にも住民税が課税されます。退職金に課税される住民税の計算方法は、次の通りです。
 
退職手当等の金額 - 退職所得控除額 × 1/2 × 税率10%
 
退職所得控除の計算方法は、次の通りです。

・勤続年数20年以下の場合控除額は、40万円×勤続年数( ただし、計算後80万円に満たないときは80万円)
 
・勤続年数20年を超える場合控除額は、70万円×(勤続年数 - 20年) + 800万円

なお、退職金は退職所得として計算されるため、他の所得とは分離して課税されます。
 

住民税の減免制度

住民税には減免制度があります。減免制度を利用できる条件は、次の通りです。条件に1つでも該当した場合は、住民税の減免制度の対象となります。

・生活保護を受ける場合
・現在の生活が困窮の状態にあり、また、その状態が長期にわたると認められる場合
・住宅や家財について、火災、風水害、地震などの災害により損害を受けた場合
・災害により死亡したり障害者になったりした場合

条件に当てはまる方は、市区町村へ必要書類を持参の上、住民税の減免制度の審査を受けます。審査には1ヶ月程度かかる場合があります。また、減免条件によって持参する必要書類が変わるため、事前に自治体へ必要書類を確認してください。
 

まとめ


 
住民税は前年の年収に対して課税されるため、退職した翌年に無収入であっても課税されることがあります。
 
事前に住民税がどのくらい課税されるのか把握しておくことにより、翌年の課税額を貯蓄しておくことができます。退職金にも住民税が課税されるため、定年退職をする方は事前に税額を知っておくようにしましょう。
 

出典

総務省 個人住民税
東京都主税局 個人住民税
目黒区 令和4年度における住民税(特別区民税・都民税)の減免
 
執筆者:八木友之
宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

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