更新日: 2022.07.25 その他税金

老後のマネープランに直結する年金から引かれる社会保険料・税金の種類

老後のマネープランに直結する年金から引かれる社会保険料・税金の種類
老後の資金計画で頼りになるのは年金です。これまで働いた分が報われる収入ではありますが、手放しでは喜べません。
社会保険料と税金の負担があるためです。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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社会保険料

日本年金機構によると、年間18万円以上の年金を受給する人の場合、社会保険料は年金から天引きされています。社会保険料は、75歳までは国民健康保険料と介護保険料、75歳以降は後期高齢者医療保険料と介護保険料に分かれています。後期高齢者医療保険料は、自治体や都道府県の後期高齢者医療広域連合が金額を決めています。本記事にて記載している保険料は、全て東京都世田谷区(2022年度)のものです。
 

国民健康保険料(75歳まで)

国民健康保険料は、基礎(医療)分、支援金分、介護分の3種類に分かれており、65〜75歳までの人は介護分以外の2種類を支払っています。
 
東京都世田谷区の2022年度の65~75歳における国民健康保険料は、図表1の通りです。
 
図表1 東京都世田谷区の2022年度の65~75歳における国民健康保険料

区分 所得割額 均等割額
基礎(医療)分(最高限度額65万円) 加入者全員の賦課基準額×7.16% 加入者数×4万2100円
支援金分(最高限度額20万円) 加入者全員の賦課基準額×2.28% 加入者数×1万3200円

※東京都世田谷区 「保険料の計算方法」より引用
 
なお、賦課基準額は、前年の所得額から住民税の基礎控除43万円を除いた金額です。
 

後期高齢者医療保険料(75歳以降)

75歳以降の人は、後期高齢者医療制度に加入します。2022年度の1年間の保険料額は、東京都の場合だと以下の通りです。
 
均等割額4万6400円+賦課のもととなる所得金額×9.49%
 
賦課のもととなる所得金額は、賦課基準額と同様に前年の所得額から住民税の基礎控除43万円を除いた金額です。
 

介護保険料

介護保険料は、基準額を含めて17段階に分かれています。第6段階が基準額となっており、7万4160円です。所得や住民税の課税有無によって、金額には差があります。
 

税金

年金からは税金が引かれます。個人が引かれる税金は所得税と住民税です。
 

所得税

65歳以上で課税所得が年間158万円を超える人には、原則として所得税がかかります。年金を含めた収入には、収入から一定額を差し引く控除が認められているためです。収入が年金のみの人が適用される控除は以下の2つです。

●公的年金等控除:110万円
●基礎控除:48万円

上記から、合計158万の控除が適用されており、この金額以上の年金を受け取ると所得税が発生します。
 

住民税

65歳以上で課税所得が年間153万円を超える人は、原則として住民税がかかります。公的年金等控除の額は変わりませんが、住民税の基礎控除は43万円になるため、所得税とは非課税になる金額が異なる点に注意しましょう。
 

年金から引かれる社会保険料や税金には注意しましょう

年金は全額受け取れるわけではありません。税金はある程度の控除があるため、その年の年金受給額が153万円(月12万7500円)以下なら課税されませんが、社会保険料はほぼ全ての人が課税されます。
 
社会保険料の負担は自治体により異なりますが、賦課基準額の10%近く引かれます。「年金は全額手取りでもらえるもの」として将来設計をしないように注意しましょう。
 

出典

日本年金機構 Q 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を天引きされるのはどのような人ですか。
東京都世田谷区 保険料の計算方法
東京都世田谷区 世田谷区の介護保険料額
東京都世田谷区 後期高齢者医療制度 保険料
日本年金機構 Q 年金から税金が差し引かれているとき。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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