更新日: 2022.08.05 控除

「保険料控除」使えていますか?いまさら聞けない保険料控除と種類

「保険料控除」使えていますか?いまさら聞けない保険料控除と種類
みなさんは、保険料控除をうまく利用できていますか? 年末調整や確定申告で利用することになるのですが、少し難しいかもしれません。そこで、今回は保険料控除について解説していきます。保険料控除をうまく利用できるように学んでいきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそも保険料控除とは?

そもそも保険料控除って何だろう? と思っている人もいると思いますので、こちらから解説します。保険料控除は、保険に加入している場合に、年末調整や確定申告を行う際に利用できるもので、所得税や住民税を控除することができます。
 
つまり、利用することで節税効果が期待できる制度です。しかし、無条件に節税できるというものではありません。上限は設けられています。たくさん入っているからたくさん節税できるわけではないため、その点は注意が必要です。
 
また、保険料控除にはいくつかの種類があり、それぞれに利用できる上限額が決められています。まずは、保険料控除の種類を知り、その上限額を確認することが大切です。
 
加入している保険会社からはがきが送られてきたり、ホームページなどで確認することができたりしますので、自分の保険がどの控除として利用できるのか確認をしてみてください。
 

生命保険料控除について

保険料控除は大きく分けて「生命保険料控除」と「地震保険料控除」の2つがあります。そして、生命保険料控除についてはさらに、「一般生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」、「個人年金保険料控除」の3つに分けることができます。まずは、生命保険料控除の3つを見ていきましょう。
 

一般生命保険料控除

はじめに一般生命保険料控除は、終身保険や養老保険などの死亡保障がついている保険が主に対象となります。対象にはならない保険もありますので、自分が加入している保険が対象となっているかを確認してみましょう。
 

介護医療保険控除

次に介護医療保険控除は、病気やけがをした場合に医療費が支払われるような医療保険が主に対象となる控除です。最近では、介護が必要になってしまった時に保険金が支払われる介護保険がありますが、こちらに該当する場合があります。
 

個人年金保険料控除

最後に個人年金保険料控除は、個人年金保険の中でも税制適格という基準に該当しているものが対象となる控除です。個人年金保険だからといって必ず控除を受けることができるとはかぎらないので、こちらも注意が必要です。
 

計算してみましょう

これら3つの保険料控除は以下の表の計算式で利用できる金額を確認できます。
 
(1)新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額、新契約に基づく新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。
 
図表1

年間の支払保険料等 控除額
2万円以下 支払保険料等の全額
2万円超 4万円以下 支払保険料等×1/2+1万円
4万円超 8万円以下 支払保険料等×1/4+2万円
8万円超 一律4万円

出典:国税庁 No.1140 生命保険料控除
 
(2)旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額
 
旧契約に基づく旧生命保険料と旧個人年金保険料の控除額は、それぞれ次の表の計算式に当てはめて計算した金額です。
 
図表2

年間の支払保険料等 控除額
2万5000円以下 支払保険料等の全額
2万5000円超 5万円以下 支払保険料等×1/2+1万2500円
5万円超 10万円以下 支払保険料等×1/4+2万5000円
10万円超 一律5万円

出典:国税庁 No.1140 生命保険料控除
 
生命保険料控除については、「新」と書かれているものと「旧」と書かれているものがあるのですが、ご存じでしょうか? こちらに関しては、平成24年1月1日以降に契約したものが「新」生命保険料控除に利用でき、それよりも前に契約し、内容変更等もしていないものは「旧」生命保険料控除となります。
 

地震保険料控除について

地震保険料控除は、建物保険の中でも地震等損害部分について対象となる控除となっています。注意すべきは、火災保険部分については対象とならないことです。加入している保険が火災保険部分しかない場合は、控除の対象となりません。地震の時に保険金が支払われる保険なのかを確認してみましょう。
 
また、年間の支払保険料のうち、地震等損害部分が対象となるので、年間の支払保険料をまるまる対象とすることができない点も留意しておいてください。
 

自分の地震保険料控除を確認してみましょう

地震保険料控除の控除額は以下の計算式から確認できます。
 
図表3

区分 年間の支払保険料の合計 控除額
(1)地震保険料 5万円以下 支払金額の全額
5万円超 一律5万円
(2)旧長期損害保険料 1万円以下 支払金額の全額
1万円超2万円以下 支払金額×1/2+5000円
2万円超 1万5000円
(1)・(2)両方がある場合 (1)、(2)それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高5万円)

出典:国税庁 No.1145 地震保険料控除
 
地震保険料控除についても「新」と「旧」があります。「新」地震保険料控除は平成19年1月1日以降に締結した契約をいい、「旧」長期損害保険料は平成18年12月31日までに締結した契約で、契約の変更をしていないものを指します。
 

自己申告を忘れずに

保険料控除は年末調整だったとしても、確定申告だったとしても、自分で申告しなければ控除を受けることができません。まずは、自分の加入している保険が生命保険料控除にあたるのか、地震保険料控除にあたるのかを確認し、申告できるようにしておきましょう。
 

出典

国税庁 No.1140 生命保険料控除
国税庁 No.1145 地震保険料控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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