更新日: 2022.08.28 確定申告
副業をしたら確定申告しないといけないの?
ただし、収入には税金が付きまとうことを忘れてはいけません。税金の知識がないまま副業を進めてしまうと、知らぬうちに「脱税」してしまう可能性があります。
今回は、副業をした場合の確定申告について基本を分かりやすく解説します。税金への後ろめたさがない、気持ちの良い副業を行いましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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確定申告とは?
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの収入についての所得額と所得税額を計算して、翌年2月16日から3月15日までに税務署へ申告納税をする手続きのことをいいます。この申告に使う書類を、「確定申告書」といいます。
会社員は年末調整があるから確定申告不要
会社員などの給与収入を得ている人は、「今まで確定申告なんてしたことない」という人も多いでしょう。それは「年末調整」があるからです。自分でわざわざ確定申告をしなくても、会社が年末調整をしてくれるため、所得税の清算が自動的に行われる仕組みになっているのです。
給与以外の収入がある人は確定申告が必要
年末調整は、基本的にその会社から支払われている給与分に対して行われます。よって、給与以外の収入は含まれていないということであり、その収入には所得税がかかっていないということになります。
「副業をしたら確定申告が必要」といわれているのはそのためです。確定申告は個人事業主が行うもののイメージがありますが、会社員であっても副業による収入がある場合には行います。
副業が20万円以下であれば確定申告しなくてよい
原則的には副業をしたら確定申告をする流れになります。しかし、どんな副業であっても必ず確定申告が必要になるというわけではない点に注意しましょう。収入または所得が「20万円以下であれば確定申告はしなくてよい」と定められています。
これを通称「20万円ルール」といいます。なお、副業をフリーランスや個人事業主で行っている人と、副業もアルバイトやパートなどの雇用で行っている人とでは、20万円の見方が異なります。詳しく見ていきましょう。
フリーランスや個人事業主は所得20万円以下
フリーランスや個人事業主の場合には、所得が20万円以下か否かによって判断します。所得とは、収入から経費を差し引いた利益のことです。
例えば、小売業による年間の売上100万円、仕入60万円、発送費25万円だった場合の所得は、100万円-(60万円+25万円)=15万円となるため「確定申告は不要」ということになります。
年間100万円の収入がある点を見ると、規模もそれなりにあることから、なんとなく確定申告は必須なように思いがちですが、「所得で判断する」ということに注意しましょう。
パートやアルバイトは20万円以下
これに対して、パートやアルバイトなど会社に雇用される形で副業をしている場合には、収入が20万円以下か否かで判断します。月1万6666円以上の給与をもらっている場合には、年間20万円を超える可能性が高くなります。
【要注意】住民税に20万円ルールはない
「20万円ルールで確定申告は不要。それなら税金を気にせずに副業ができる」と安心した人でも、注意が必要です。実は20万円ルールは「所得税」の話であり、「住民税」については給与以外の収入がある時点で申告の必要があるため注意が必要です。
住民税とは
収入がある個人には、所得税と住民税が課されます。「国」に納めるのが所得税、市区町村などの「地方」に納めるのが住民税です。税額を自身(または年末調整を行う会社)で計算する所得税に対して、住民税は収入と所得の申告を受けた市区町村が計算し、本人に通知する流れになります。
住民税申告とは
住民税申告とは、市区町村への確定申告と捉えてください。「市区町村に申告なんて申告したことがない」と思われた人も多いのではないでしょうか。その通りで、住民税申告を行う機会は非常に少ないです。なぜでしょうか。
通常、市区町村は勤め先の会社から提出される「給与支払報告書」や、国へ申告された確定申告を元に収入と所得の情報を手に入れる仕組みになっています。
しかし、副業が所得税の20万円ルールに引っかかる場合には、確定申告が行われないため市区町村は把握することができません。よって、確定申告をしない場合には住民税申告をする必要が出てくるのです。
住民税申告するなら確定申告した方が早い
メジャーな確定申告に比べて、住民税申告は非常にマイナーな手続きになります。さらに、市区町村によって様式が異なることから、その記載方法などを知る術が極端に少ない点からも、余計な煩わしさを感じてしまうかもしれませんね。
そういった場合は、スマホでも簡単にイータックス(e-Tax、国税電子申告・納税システム)が利用できるようになっている確定申告を行って、自動的に市区町村へ情報を流してもらうことで手間が減るかもしれません。
まとめ
副業による収入または所得が20万円超である場合には、確定申告をしなければなりません。20万円以下で確定申告をしない場合には、住民税申告が必須になります。
ただ、住民税申告をするよりも確定申告の方が分かりやすく、処理も速く済む可能性が高いため、「副業をしたら確定申告をする」という理解でいることをおすすめします。
出典
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
富里市 確定申告と住民税(市民税・県民税)申告は何が違うのですか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部