更新日: 2022.11.09 その他税金

7割の人が相続対策をしていない! まず知っておきたい相続税の仕組みと対策一覧

7割の人が相続対策をしていない! まず知っておきたい相続税の仕組みと対策一覧
東京都江東区の不動産会社・株式会社AlbaLinkが2021年2月に行った「相続対策ついての意識調査」(調査対象:全国の男女534人)によれば、相続対策をしている人は全体の29.6%(534名中158名)にとどまりました。残りの70.4%の人(534名中376名)が特に相続対策をしていない計算になります。
 
そこで、本記事では「相続対策をしたいけど、何から始めればよいか分からない人」のために、基礎知識を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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相続税とは

相続税とは、亡くなった人=被相続人の財産を相続により取得した配偶者や子どもなどの相続人に対しかかる税金です。
 

相続税がかかるかどうかの判定方法

相続税は、相続が起きても常にかかるとは限りません。自分たちの場合はどうなるか知りたい場合は、次の2つの手順で判定しましょう。
 

1.正味の相続財産を計算する

最初に、どれだけの財産を引き継ぐのか、正確な金額を求めます。
 
相続にあたっては、資産(プラスの財産)だけでなく、負債(マイナスの財産)も引き継がないといけません。相続税はプラスの財産とマイナスの財産を相殺した額=正味の相続財産に対して課税されます。
 
例えば、亡くなった人に1億5000万円の銀行預金と5000万円の借金があった場合、正味の相続財産は1億円です。
 

2.基礎控除額を算定する

次に基礎控除額を算定しましょう。基礎控除額とは「ここまでなら相続税がかからない」という一定のラインです。以下の式で計算します。
 
基礎控除=3000万円+(法定相続人の数×600万円)
 
なお、「法定相続人」とは、遺産を相続する権利がある人のことです。以下の人が含まれます。
 
【図表1 法定相続人に含まれる家族】

配偶者 常に相続人になる
その他の家族 <第1順位>子ども
<第2順位>親
<第3順位>兄弟姉妹
※複数人いる場合、順位が高い人から先に法定相続人として扱われる

出典:筆者作成
 
例えば「夫婦+子ども3人」という家族構成の場合、夫が亡くなった際の基礎控除は5400万円(=3000万円+4人×600万円)です。つまり、財産額が5400万円を超えない場合には、相続税は発生しません。
 
また、配偶者に関して配偶者控除が設けられています。配偶者の法定相続分相当額と1億6000万円のうち、どちらか多い金額までは相続税がかかりません。
 
このような事情を考えると、配偶者が相続税を払う必要があるケースは、そう多くないでしょう。
 

相続税対策も検討しよう

基礎控除額の算定までをした結果、相続税がかかりそうなら対策を検討しましょう。一般的に広く用いられている相続税対策を挙げてみました。

・生前贈与で相続財産を減らす
・生命保険金等の非課税枠を利用する
・小規模宅地等の特例を利用する
・さら地に賃貸アパートを建てる
・相続時精算課税制度を利用する

ただし、節税はできても費用が高ければ、結局損する羽目になりかねないため、どの方法を利用する場合であっても事前にシミュレーションし、かかる費用と節税額を把握しましょう。
 

出典

国税庁 相続税のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4158 配偶者の税額の軽減
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4602 土地家屋の評価
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4103 相続時精算課税の選択
株式会社AlbaLink 相続対策に関する意識調査アンケート(2021年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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