更新日: 2022.09.29 控除
年収に対する手取りを増やすには? 誰でもできる節税方法を紹介!
そこで考えたいのは、収入は変わらないのに手取りが増える「節税」です。少しの手間で手取りが増えるなら、ぜひ試してみたいものではないでしょうか。
比較的取り組みやすい節税方法を5つ紹介するので、今年の確定申告から早速試してみましょう。
執筆者:木元泰徳(きもと やすのり)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
「保険料控除」保険に加入しているなら確認を
生命保険・介護保険・個人年金保険・地震保険といった、対象となる保険に加入していると控除される保険料控除は、保険に加入していれば誰もが対象となる節税方法です。
例えば、年収400万円、配偶者所得100万円、2人の子どもを有する家庭での所得税、住民税を合計した金額は25万3500円です。一方で生命保険料控除5万円、地震保険料控除3万円を利用すると、所得税、住民税の合計は24万3700円になります。
収入や各種保険料の金額を増やせば、さらに節税額は多くなります。
「ふるさと納税」2000円でもらえる特産品
ふるさと納税は、特定の自治体に所定の手続きを経て寄付を行うことで、2000円を超える金額を所得税・住民税から控除できる制度です。自治体からは返礼品として、金額に応じた特産品が送られてくるので、実質2000円で各地の特産品を受け取れるお得な制度です。
特産品は米、野菜、ご当地加工品から電子機器まで多岐にわたるため、自分にぴったりの特産品を生産する自治体が見つかるでしょう。米やティッシュなど、生活必需品を受け取れば、家計の大きな助けとなります。
「医療費控除」医療費を多く支払ったとき
1月1日からの1年間で、自分や配偶者、親族のために支払った医療費が一定金額を超える場合、医療費控除の対象となり所得控除が受けられます。
併用はできませんが、特定の医薬品を購入した場合に、購入費用に対して所得控除が受けられる「セルフメディケーション税制」という制度もあります。
医療費や医薬品への負担が大きい世帯は検討するべき制度です。例えば、1年間に支払った医療費が30万円、年収400万円と仮定すると、所得税の還付額は4万円になります。医療費や収入が多くなれば、より多くの金額の還付が受けられるでしょう。
「NISA」節税しながら資産を増やす
株や投資信託で利益が出た場合、約20%の税金がかかりますが、少額投資非課税制度(NISA)を利用すれば、税金を払わずに済みます。
毎月3万円を20年間、5%複利で投資したとすると、元本720万円に対して、運用益513万円、計1233万円と資産が大幅に増加します。通常、運用益の513万円に20%を掛けた、約100万円を税金として納める必要がありますが、NISA制度のひとつ、「つみたてNISA」を利用すれば税金を支払う必要はありません。
節税とともに、資産の増加を図りたい人におすすめの制度です。
「iDeCo」節税しながら老後に備える
個人型確定拠出年金(iDeCo)は自分で老後資金を準備する、私的年金の制度です。
60歳以降まで、原則資産を引き出すことができない点がデメリットですが、掛け金が全額所得控除になる点、運用益が非課税になる点、受け取りのときにも公的年金等控除や退職所得控除の対象となる点など、さまざまな税制面でのメリットがあります。
当面使わないお金があり、老後の生活への不安を感じているなら、節税しながら備えられるiDeCoの利用を検討するべきでしょう。
積極的に節税して資産を増やそう
本記事では「保険料控除」「ふるさと納税」「医療費控除」「NISA」「iDeCo」という5つの税制上有利な制度を解説しました。
年収をアップするのが困難なら、支出のカットを検討しましょう。支出の中でも大きな比重を占め、一度仕組みを構築すると長く効果を発揮する節税。
まだ手をつけていない場合は、積極的に活用を検討してみましょう。
出典
国税庁 No.1140 生命保険料控除
国税庁 No.1145 地震保険料控除
総務省 ふるさと納税ポータルサイトよくわかる!ふるさと納税
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
金融庁 NISAとは?
iDeCo公式サイト iDeCoってなに?
執筆者:木元泰徳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士