更新日: 2022.10.04 その他税金

電気自動車は思っているより安く手に入る! 次世代エコカーを優遇する税制度を紹介

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

電気自動車は思っているより安く手に入る! 次世代エコカーを優遇する税制度を紹介
電気自動車は高いと思っている人はいませんか?
 
車両価格では、電気自動車はガソリン車やハイブリッド車と比べて100万円以上の価格差があるものもあります。一方で価格が高い反面、電気自動車にはさまざまな減税や補助金が受けられます。
 
すべて考慮のうえで比較すると、思っていたより安いと感じるかもしれません。
FINANCIAL FIELD編集部

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税制

電気自動車は、通常のガソリン車と比べて3つの減税が適用されます。なお、本記事に記載する税制や税金については2022年9月6日時点のものなので、変更がある可能性があるのでご注意ください。
 

環境性能割(旧自動車取得税)

環境性能割は、2019年10月1日から自動車取得税に代わって導入された税金です。自動車の価格に対して0~3%の税率が定められています。
 
2020年度の燃費基準を満たしていない自動車には3%の税金がかかりますが、電気自動車は非課税となります。
 

自動車税(グリーン化特例)

自動車税は排気量ごとに定められており、電気自動車は排気量1000cc以下に該当します。1000cc以下の普通自動車の場合は年間2万5000円、電気自動車はグリーン化特例により75%減税され年間6500円となります。
 

自動車重量税(エコカー減税)

電気自動車は、車両重量にかかわらず新車新規登録と初回継続検査(初回車検)の2回分の自動車重量税が免税となります。
 
エコカーに該当しないガソリン車(1トン以下)は、新車登録時に2万4600円、初回継続検査時に1万6400円の自動車重量税がかかります。エコカー以外のガソリン車(1トン以下)と比較すると、合計4万1000円分の減税です。
 
2回目以降の車検では自動車重量税がかかりますが、エコカー対象車として減税されます。
 

補助金

電気自動車を購入すると、減税だけでなく補助金も受け取れます。補助金には、国(次世代自動車振興センター)から受け取れるものと、各自治体から受け取れるものの2種類があります。
 

国からの補助金

電気自動車を購入すると、次世代自動車振興センターから補助金を受け取れます。
 
例えば日産リーフXシリーズの場合、受け取れる補助金は78万6000円です。電気自動車の補助金は車種によって32~92万円と幅があります。
 
ただし、補助金の予算は残り少なくなっています。早ければ10月中旬には終了予定となっているので、電気自動車の購入を検討している人は急いだ方がよいでしょう。
 

自治体からの補助金

住んでいる自治体によって、自治体独自の補助金を受け取れます。例えば東京都に住んでいる個人の場合、受け取れる補助金の額は図表1のとおりです。
 
【図表1】電気自動車の購入により受け取れる補助金(東京都)
 

金額
電気自動車の新車購入 45万円
再生エネルギー100%の電力メニュー契約 60万円(15万円増額)
太陽光発電システムの設置
(3kW以上)
75万円(30万円増額)

 
出典:東京都地球温暖化防止活動推進センター「助成金申請書類作成の手引き」より筆者作成
 
太陽光発電システムの設置は手間がかかりますが、再生エネルギー100%の電力メニュー契約は、指定の小売電気事業者から対象になる電力メニューを選ぶだけで適用されます。
 

ガソリン車との比較

電気自動車の価格について、ガソリン車と比較してみましょう。
本記事では、以下2車種を取り上げます。なお、価格は2022年9月6日時点のものです。
 

●日産リーフXシリーズ:370万9200円
●日産マーチX Vセレクション:148万5000円

 

補助金考慮後の車両価格

東京都に住む個人が、再生エネルギー100%の電力メニューを契約した場合、補助金考慮後の車両価格は以下のとおりとなります。
 

●日産リーフXシリーズ:232万3200円
●日産マーチX Vセレクション:148万5000円

 
価格差は84万円程度です。
 

環境性能割(旧自動車取得税)

日産リーフは非課税です。日産マーチX Vセレクションは2020年度の燃費基準を満たしていないため、車両価格に対して4万4100円の税金が発生します。
 

自動車税

日産リーフにはグリーン化特例が適用されるため、年間6500円です。日産マーチX Vセレクションは排気量1000cc以上1500cc以下となるため、年間3万500円です。
 
10年間保有した場合、日産リーフの方が24万円安くなります。
 

自動車重量税

電気自動車にあたる日産リーフは、初回登録時と初回車検時に支払う自動車重量税が免税となるため、2回分の自動車重量税は0円です。
 
日産マーチX Vセレクションの場合、1トン以下の乗用車(エコカー以外)に該当するため新車登録時(3年間)に2万4600円、初回継続検査時(2年間)に1万6400円の自動車重量税がかかります。
 
購入後5年間の自動車重量税は、日産リーフの方が4万1000円安くなります。ただし、日産リーフXシリーズの車両重量は1520kgとなっているため、6年目以降の自動車重量税は、日産マーチX Vセレクションと比べて年間1800円高くなります。10年間所有した場合の自動車重量税は、日産リーフの方が3万2000円安いです。
 
税金と補助金を考慮すると、10年間保有した場合の価格差は52万円程度になります。
 

補助金や税制を考慮すれば価格差は大きくない

車両価格を比較すると、電気自動車は高いと感じるかもしれませんが、補助金や税制を考慮すると、価格差は大きくありません。
 
航続距離や充電場所といった課題はあるものの、ガソリン代が高止まりしている状況を考慮すれば、電気自動車も選択肢の1つになるでしょう。
 

出典

経済産業省 導入助成金制度

国土交通省 自動車関連税制について

一般社団法人次世代自動車振興センター ホームページ
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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