更新日: 2022.10.21 その他税金
子どもが芸能活動で収入を得ています。未成年でも年金や税金の支払いは必要ですか?
未成年ということで、さまざまな制度で優遇や免除を受けられることが多いのは事実ですが、年金や税金の場合はどのようになっているのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
未成年の年金の支払いについて
年金制度には、国民年金と厚生年金があります。
・国民年金の場合
20歳から60歳未満のすべての人が加入する年金保険なので、20歳未満の人は国民年金保険料を支払う必要はありません。
・厚生年金の場合
20歳未満でも、勤務先で正社員として働いていたり、アルバイトであっても労働日数や時間が多かったりすると、勤務先の社会保険の加入条件を満たすことになります。そうなると、厚生年金の年金保険料を支払う必要があります。
未成年の税金の支払いについて
働いて収入を得た場合に支払うべき税金には、所得税と住民税があります。
・所得税の場合
所得税においては、成年と未成年という区別はありません。アルバイトなどで給与所得がある人は、年収が103万円を超えると所得税を支払う必要があります。ただし、勤労学生控除の対象となると、一定の金額の所得控除を受けることができます。勤労学生控除の対象となる人は、特定の学校の学生であり、勤労による給与所得が130万円以下で、それ以外の所得が10万円の以下場合に認められます。
・住民税の場合
未成年は、前年の合計所得金額が135万円以下の場合には課税されません。しかし、それを超えると住民税を支払う必要があります。ただし、2022年4月以降は成年年齢が18歳に引き下げられました。そのため、18歳以上であれば年収がおおよそ93万円~100万円(自治体によって金額が変わります)を超えると課税対象となり、住民税を支払う必要があります。
どのような雇用状況で芸能活動をしているのかによって税金の納付方法が変わります
・芸能事務所に所属して雇用契約を交わしている場合
芸能活動をするにあたり、芸能プロダクションと雇用契約を交わしてギャラを給与所得として受け取っている場合は、働いている日数や時間、年収などによって年金や税金の支払い義務が生じます。そして年間の給与収入が2000万円を超えなければ、雇用主が源泉徴収をして所得税を納付してくれます。給与収入が2000万円を超えている場合は、自身で確定申告をして所得税を納付する必要があります。
・芸能プロダクションに所属しているが個人事業主として契約している場合
個人事業主として契約して受け取ったギャラは事業所得となります。事業所得は、自身で確定申告をして所得税を納付する必要があります。
・芸能事務所に所属せず個人事業主として活動している場合
個人事業主として自身で確定申告をして所得税を納付する必要があります。
未成年でも収入などによって年金や税金を支払う必要があります
住民税では、未成年であることを理由に支払い条件が優遇されることもありますが、基本的に年金や税金は未成年であっても労働状況や収入金額に応じて支払う必要があります。芸能プロダクションなどに所属し、雇用契約を交わして収入を得ている場合は会社が源泉徴収をして支払ってくれますが、給与収入が2000万円以上であったり、個人事業主として活動していたりする場合は自身で確定申告をして支払う必要があります。
ただし、保護者が確定申告を代理で行うことができるので、確定申告をしないでペナルティーのような税金が追加発生しないように注意しておくことが大切です。
出典
厚生労働省 10代の皆さんへ いっしょに検証!公的年金
国税庁 No.1175 勤労学生控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部