更新日: 2022.12.21 確定申告

大金を拾ったら税金はいくらかかる? 確定申告をしなくちゃいけないの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

大金を拾ったら税金はいくらかかる? 確定申告をしなくちゃいけないの?
廃棄されたタンスから大金が出てきたとか、落ちていたカバンに大金が入っていたとか、そんなニュースを聞いたことがある人もいるでしょう。「うらやましいけど自分には関係ない」と思うかもしれませんが、絶対にないとはいいきれません。
 
そこで、偶然にも1億円を拾うという幸運に恵まれた場合について説明します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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警察に届けた「遺失物」は3ヶ月経つと自分のものになる

もし何かを拾って、警察署などに届けてから3ヶ月以内に持ち主が現れた場合は、遺失物は持ち主に返還されますが、拾った人は遺失物の価値の5~20%の間で、持ち主から謝礼を受け取る権利を得ます。
 
デパートや駅などの施設内で拾った場合は、施設と謝礼を折半することになるため、拾った人が受け取れるのは遺失物の価値の2.5~10%分になります。
 
3ヶ月を過ぎても持ち主が現れない場合は、遺失物の所有権は拾った人に移ります。
 
ただし、拾ってから7日以内、または管理者がいるデパートや駅などの施設で拾った場合は24時間以内に、拾ったものを遺失物として警察署等に届け出なければ、上記の権利を喪失するので注意が必要です。
 
また、遺失物の所有権を得てから2ヶ月以内に引き取らなければ、拾った人も所有権を失い、遺失物は都道府県のものになってしまいます。
 

現金で1億円を拾って自分のものになったとき、税金はどうなる?

ひょんなことから1億円を拾い、警察に届けたとしましょう。3ヶ月経っても持ち主が現れなかった場合、1億円は拾った人のものになります。その1億円は「一時所得」に分類され、所得税、住民税が課されます。
 
税額は、特別控除として50万円を差し引いた後、残った額の2分の1をほかの所得と合算して計算されます。一時所得に該当する収入が、拾った1億円だけの場合は、特別控除50万円を差し引いた9950万円が所得となり、その半分の4975万円がほかの所得と合算されます。
 
1億円という大金ですから、所得控除などを差し引いたとしても、税金はそれなりの額になるでしょう。それを知らずに全部使ってしまうと、税金を払えないということになってしまいます。
 
拾ったお金にも税金がかかるということを忘れないでください。
 

給与以外の所得が20万を超える場合は確定申告が必要

企業などに勤めている人の多くは、給与から税金が天引きされるため、ほとんどの場合は確定申告をすることはないでしょう。
 
しかし、勤めている人でも確定申告が必要になる場合があります。それは、給与を2カ所以上から受け取っていたり、年収が2000万円を超えていたりする場合や、給与以外の所得が20万円を超えている場合です。
 
1億円を拾った場合、給与所得以外の所得が20万円を超える可能性が非常に高く、ほぼ確定申告が必要となるでしょう。
 
確定申告は原則として、1億円を拾った翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。
 
確定申告書は、国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーで作成し、印刷して郵送することができます。e-Taxを使えば、インターネット上で作成した申告書をそのまま送信して完了するため、郵送よりさらに便利です。
 

偶然手に入ったお金は税金の計算をしてから使おう

今回は「もし1億円拾ったら」というテーマでしたが、お金を拾った場合だけではなく、競馬や競艇などの公営ギャンブルで大金を当てたり、懸賞金が手に入ったりしたときも、業務を通じて得たものではないため、一時所得に該当します。
 
一時所得として課税されるのを知らずに使ってしまい、後から税金を払えなくなって困らないように、納税額を計算してから使いましょう。
 
ちなみに、地方自治体が発売している「宝くじ」や、スポーツくじの「toto」、「BIG」の当選金には税金はかかりません。
 

出典

警察庁 警察から連絡がなく3か月が経過…拾得者が所有権を取得
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1490 一時所得
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2020 確定申告
国税庁 e-Tax 国税電子申告・納税システム 個人でご利用の方
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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