更新日: 2023.01.07 確定申告
マイナンバーカードを持ってると、確定申告もスムーズ? 申告書作成・提出の流れって?
マイナンバーカードで確定申告を便利に行うための準備から提出までの流れ、注意点などを確認していきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
事前準備から確定申告書の提出までの一連の流れ
マイナンバーカードを使った確定申告では、マイナンバー方式によりe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用が簡単になるほか、行政手続きのオンライン窓口「マイナポータル」と保険会社や民間送達サービスを連携させることで、確定申告に必要な控除証明書などをオンラインで一括取得して、確定申告書に自動入力できるようになります。
データで作成した確定申告書をe-Taxで提出すれば、インターネット上で手続きが完了しますが、マイナポータルとの連携には事前準備が必要で、具体的には下記の手順で進めていきます。
(1)各種証明書等、確定申告で控除を受けるために必要な書類を発行している保険会社や証券会社、ふるさと納税サイトなどが、マイナポータルでの連携に対応しているか確認
(2)マイナポータルにログインし、取得したい証明書等を選択して保険会社などが対応している民間送達サービスと連携
(3)連携した民間送達サービスから保険会社などの利用設定を行う
(4)国税庁ホームページやマイナポータル連携に対応したソフトで確定申告書等を作成し、e-Tax(マイナンバー方式)で送信する
マイナポータルとの連携を行えば、次回以降の確定申告では連携の事前設定は不要で、確定申告書等の作成が簡略化できます。また、e-Taxの利用により、作成した確定申告書や添付書類を税務署に持参したり、郵送で提出したりする必要がなく、確定申告の手続きをスムーズに完結させることができます。
マイナポータルとの連携でどんな証明書等が取得できる?
マイナポータルと連携することで、加入している保険会社などからオンラインで取得し、確定申告書に自動入力できる証明書等には、生命保険や地震保険の保険料控除証明書のほか、住宅ローン控除に関する証明書、ふるさと納税による寄附金控除を受けるための証明書や受領書、医療費の通知情報などがあります。
また、令和5年1月以降(令和4年分の確定申告)は、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書、公的年金等の源泉徴収票、医療費では1年間分の通知情報も対象となります。
出典:国税庁 「令和4年分 確定申告特集(準備編) マイナポータル連携で自動入力!」
確定申告の期限が近づくたびに各種証明書を探す、保険医療機関や保険薬局で支払った医療費の領収書を確認する、また場合によっては保険会社などに証明書の再発行を依頼する、といった手間もなくなります。
マイナンバーカードとe-Taxの利用に関するメリットや注意点
マイナンバーカードとe-Tax(マイナンバー方式)を利用して確定申告を便利に行うには、マイナンバーカードと読み取りに対応するスマートフォンが必要です。なお、パソコンからe-Taxを利用する場合、マイナンバー方式では2次元バーコードをスマートフォンで読み取ることで、従来は必要であったICカードリーダライタは不要となっています。
また、e-Taxを利用する際は、税務署が発行する利用者識別番号(数字16桁)とパスワード(暗証番号)が必要ですが、マイナンバー方式であればカードの読み取りと、マイナンバーカードの交付時に自身で設定した利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)を入力するだけでログインできます。
ただし、e-Taxでマイナンバー方式を利用するためには、スマートフォン(e-Taxソフト)やパソコン(受付システム)、またはマイナポータルからの事前の手続きが必要です。
利用者証明用電子証明書のパスワードのほか、申告書等のデータの作成や申請に使用する署名用電子証明書のパスワードを忘れた場合、住民票がある市区町村役場で再設定手続きを行うことになります。確定申告でマイナンバーカードとe-Taxを利用するときは、必要な機器とともに各種パスワードをあらかじめ準備しておくようにしてください。
マイナンバーカードを持っていると確定申告がスムーズになる
マイナンバーカードを作成しておくと、マイナポータルとの連携で確定申告書の作成を簡略化できるほか、e-Taxの利用と併せて確定申告の手続きがスムーズに行えるようになります。これまで確定申告でマイナンバーカードを利用したことがないという方は、ぜひ令和4年分の確定申告から利用を検討してみてください。
出典
マイナポータル 確定申告の事前準備について
国税庁 マイナポータルと連携した所得税確定申告手続
国税庁 令和4年分 確定申告特集(準備編) マイナポータル連携で自動入力!
執筆者:柘植輝
行政書士