更新日: 2023.01.16 確定申告
「年収103万円以下」のパートでも「確定申告」は必要?「お得になる」のはどんなとき?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
【原則】年収103万円以下では確定申告不要
確定申告が必要になるのは、課税対象になる所得が発生する人です。給与の場合は、給与収入から給与所得控除と所得控除を差し引いた残額がある人ということになりますが、年収103万円ということは、給与所得控除55万円と、所得控除のうち誰でも一律で引くことのできる基礎控除48万円を差し引くとちょうど0円になるため、課税対象になる所得は発生しません。これが「年収103万円の壁」の根拠です。
また、パートとして会社などに勤めている場合には年末調整が行われるため、確定申告をしなくても所得税の精算は行われます。よって、年収103万円以下の人は原則として確定申告が不要なのです。
年収103万円以下でも確定申告しなければならない場合
1つの会社での年収が103万円以下であっても、ほかに収入がある場合は、確定申告の必要性が出てきます。ここに該当する人は確定申告が義務になります。確定申告しないまま放置する行為は違法ですので注意しましょう。
副業をしている人
年収103万円以下の仕事とは別に、副業などの収入が20万円を超える場合には確定申告が必要になります。ここでいう20万円とは収入から経費を差し引いた利益の金額です。例えば、ネット小売業をしている場合には、売上から仕入、電気代などを差し引いた金額。ウェブライターの場合には、報酬から電気代やパソコン関連費などを差し引いた金額になるでしょう。
収入には基本的に税金がかかる仕組みとなっています。「パート収入だけでは少ないから」、「お小遣い稼ぎに」と気軽に始めた副業であっても、収入であることを忘れないようにしましょう。
仕事を掛け持ちしている人
複数の勤務先で仕事をしている人は、1社の年収が103万円以下であったとしても、ほかの勤務先の年収も合わせると103万円を超える場合には確定申告が必要です。
年収103万円以下でも確定申告した方がお得な場合
次に、確定申告の義務はありませんが、確定申告すると還付を受けられてお得な場合です。源泉徴収票をきちんと確認することで判断することができます。
年末調整されていない人
会社には雇用形態を問わず、年末に在籍する従業員について年末調整をする義務がありますが、会社側に基本的な知識がなかったなど、何らかの事情で年末調整が行われていない場合があります。年収103万円以下に所得税はかかりません。源泉徴収票を確認し、所得税の源泉徴収額が0円であればそのままでよいですが、もし金額が記載されている場合には、確定申告することで全額の還付を受けることができます。
年末調整前に退職した人
年末調整時期以外に退職した人は、年末調整されていません。源泉徴収票に源泉徴収額が記載されている場合には、確定申告することで還付を受けられます。
報酬から源泉徴収されている人
給与ではない副業であっても、原稿料や講演料、ホステスなど一定の業種については報酬から源泉徴収が行われます。副業による利益が20万円以下で確定申告の必要がない場合であっても、源泉徴収されている金額がある場合には確定申告によって還付を受けられる可能性があります。
まとめ
年収が103万円以下で、それ以外に収入がない場合には確定申告の必要はありません。ただし、20万円を超える副業をしている場合などには確定申告が義務になるため注意してください。その他、何らかの報酬から源泉徴収されている場合には、任意ではありますが確定申告で還付を受けることができます。
出典
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.1199 基礎控除
国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部