電子帳簿保存ってどういうこと? 確定申告する人はみんな必要なの?
配信日: 2023.01.29
この法律は電子取引と深い関係があり、現代のビジネスとは切り離せないものです。本記事では、電子帳簿保存法について詳しく説明し、どのような人に影響があるのか紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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そもそも電子帳簿保存法とは?
電子帳簿保存法が最初に施行されたのは1998年です。情報化社会においてペーパーレスの風潮が強くなり、国税関係の帳簿類の保存に関しても電子化が認められました。
その後に数度の改正が行われており、2022年1月1日の施行分には、特に大きな変更が含まれています。仕訳帳や総勘定元帳をはじめとして、帳簿類の種類はとても多く、電子データで保存するためには税務署長の承認が必要でした。そのルールだと納税者の負担が大きいということで、2022年1月1日からは承認が不要になったのです。
ただし、どのような場合でも電子データの帳簿類が有効というわけではありません。保存場所に設置したパソコンやプリンタで出力に応じられるなど、複数の要件が定められています。
帳簿類以外についての改正
2022年1月1日に施行されたのは、帳簿類のみを対象とする改正ではありません。具体的には、以下に挙げる2点についても変更されています。
スキャナ保存
電子帳簿保存法には、紙の書類を電子データに変換して保存できるという内容があります。原本が不要で整理しやすいなど、魅力的な利点がある一方で、実施のハードルは低くありませんでした。
例えば、税務署長の承認が必要な上に、タイムスタンプや検索に関する要件も厳しく設定されていたのです。これらの要件は2022年1月1日の改正で緩和され、任意のタイミングでスキャナ保存を開始できるようになりました。
電子取引
2022年1月1日より前は、電子取引で得られた領収書や請求書なども、印刷して保存することが認められていました。
しかし、改正によって電子データの状態で保存することが義務となっています。ただし、オンラインで注文したからといって、必ずしも電子データの書類が必要というわけではありません。取引先から紙で届いたものは、そのまま保存しても大丈夫です。
電子帳簿保存法の影響を受ける人
以上のように、電子帳簿やスキャナ保存に関しては、要件の緩和が主な改正内容です。そのため、これまで制度を利用していない場合は基本的に対応の必要はありません。
一方、電子取引の改正内容は、ほとんどの事業者に関係します。現代のビジネスシーンにおいて、すべての取引を紙のやり取りだけで終えるケースは少ないからです。
個人事業主と法人のどちらであっても、事業者なら確定申告に向けて対応が必要だと考えておきましょう。
とはいえ、対応に時間がかかる事業者のために、2年間の経過措置が設けられています。要件を満たしている場合、2023年12月31日までは、紙による保存が認められているのです。
また、会社の年末調整で不備があった給与所得者など、事業者や個人事業主以外も確定申告をしますが、事業を行っておらず、帳簿類や電子取引と無縁なら、確定申告に影響はないでしょう。
対応の必要性を確認して確定申告に備えよう
電子帳簿保存法の改正はすでに有効であるため、対応の必要がある人は急がなければなりません。少なくとも電子取引を行っている事業者は、影響を受ける可能性が高いです。
施行された内容を把握する上で、緩和と義務化を勘違いしやすい点に注意を要します。正しく理解して日々の税務を行い、万全の状態で確定申告を行えるようにしましょう。
出典
経済産業省 どうすればいいの?「電子帳簿保存法」
国税庁 電子帳簿保存法が改正されました
国税庁 電子帳簿保存法の概要
国税庁 はじめませんか、帳簿書類の電子化
国税庁 はじめませんか、書類のスキャナ保存
国税庁 電子取引データの保存方法をご確認ください。
国税庁 電子帳簿保存法一問一答 【電子取引関係】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部