更新日: 2023.02.13 確定申告

2023年の確定申告が変わる 覚えておきたい変更点は?

2023年の確定申告が変わる 覚えておきたい変更点は?
2022年分(令和4年分)の確定申告は、2023年(令和5年)2月16日から3月15日までが申告期間となっていますが、昨年からいくつかの変更点があります。
 
今回は、確定申告を行う人が覚えておきたい主な変更点を確認していきましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

確定申告書類の変更


 
まずは確定申告書類の変更点を確認していきます。
 
昨年までは、確定申告書には「A」と「B」の2種類がありました。しかし、令和4年分の確定申告から申告書Aの書式が廃止され、AとBの区別はなくなります。確定申告書は1種類のみとなりますが、記載する事項については基本的に大きな変更点はありません。
 
また、間違えて本来納めるべき税額と異なる金額を申告してしまった場合に、確定申告の期限後に金額を修正する「修正申告」について書式が変更となります。今までは修正申告をする場合、申告書の「第一表」と修正申告書の「第五表」(別表)の提出が必要でした。これが簡素化されて申告書第一表に「修正申告」欄が設けられ、修正申告書第五表(別表)は廃止されます。
 
さらに、個人事業主で白色申告を行う場合、一定の雑所得について「収支内訳書」の提出が必要となります。
 
確定申告書類のサンプルが国税庁のホームページで公開されているため、気になる方は事前にチェックしてみましょう。
 

税制改正に伴う変更

令和4年分の確定申告では、申告書類だけではなく、税制改正に伴う変更点もいくつかあります。ここでは主な変更点として以下を紹介します。
 

・住宅ローン控除の変更

住宅ローン控除の適用を受ける場合、給与所得者でも1年目は確定申告が必要となりますが(2年目以降は勤務先の年末調整で手続きが可能)、税制改正により、住宅ローン控除を利用できる期限が4年延長され、2025年(令和7年)12月31日までに入居した人が対象となりました。また、住宅ローン控除の控除率は1%から0.7%に引き下げられています。
 
この他にも、購入する住宅の環境性能に応じた借入限度額、所得要件や床面積の要件など、住宅ローン控除についてはいくつかの変更が行われています。
 
マイホームを購入した方などは特に変更点について注意し、確定申告の準備を進めていくようにしましょう。
 

・電子データで提出可能な書類

もともと確定申告で所得控除や税額控除を受けるためには、それぞれの証明書や資料を添付書類として提出する必要がありましたが、e-Taxを利用する場合は生命保険料控除など、いくつかの控除については書面に代えて電子データでの提出が可能となっています。
 
令和4年分の確定申告からは、「社会保険料控除」や「小規模企業共済等掛金控除」についても電子データで提出できるようになりました。
 

まとめ

確定申告や年末調整は、税金をきちんと精算するために行わなければならない大切な手続きです。確定申告によって納め過ぎた税金が還付されることもあるので、自分が適用できる所得控除や税額控除を確認し、手続きを行うようにしましょう。
 
確定申告の期限および所得税の納付期限は、2023年(令和5年)3月15日です。納付が遅れた場合は延滞税などを支払わなければなりません。必要な書類などを確認したり、用意するための時間がなくて慌てることがないように、早めに準備をするのがおすすめです。
 
まずは今回紹介した内容や国税庁のホームページを参考にして、主な変更点をチェックすることから始めてみましょう。
 

出典

国税庁 令和4年分の所得税等の確定申告書(案)
国税庁 令和4年分 確定申告特集
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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