更新日: 2023.03.16 控除

【最大58万円!?】75歳以下の親を「扶養家族」にしたら、自分と親にどんなメリットがある?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【最大58万円!?】75歳以下の親を「扶養家族」にしたら、自分と親にどんなメリットがある?
兄弟姉妹がいない場合、将来の親の生活や介護などは自分自身でみるという人もいるでしょう。いざというときのためにも、税の控除など受けられるメリットは把握しておきましょう。
 
本記事では、75歳以下の親と同居している場合に「扶養家族」にするとどのくらいの節税になるのか試算を交えて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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親を扶養家族にしたら、どのくらい節税になりそう?

親が年金を受給している・短時間働いている場合でも、扶養家族にできます。扶養には「税法上の扶養」と「社会保険での扶養」の2種類があり、それぞれ加入条件があります。
 

<税法上の扶養家族の条件>

税法上の扶養家族の条件は、以下のとおりです。

(1)配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
 
(2)納税者と生計を一にしていること。
 
(3)年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
 
(4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

税法上の扶養家族に入れると「扶養控除」によって、扶養している者である子どもの所得税・住民税の負担額が軽くなります。70歳以上の親を扶養に入れた場合には「老人扶養控除」が適用され、さらに控除額が上がります。
 

<税法上の扶養家族・試算例>

年収400万円のAさん(40歳)が、配偶者との死別で1人暮らしになった親Bさん(70歳)と同居し、扶養家族に入れた場合
 
年収400万円-(給与所得控除124万円 + 基礎控除48万円 +扶養控除(老人扶養親族)58万円+厚生年金37万320円+社会保険23万3579円+雇用保険2万円)=課税所得107万3000円
 
・年間の所得税5万3600円、住民税13万300円 予想手取り額 約318万9201円
【約7万5000円の節税効果】
 

<親を扶養家族に入れていない場合>

・年間の所得税8万2600円、住民税17万5300円 予想手取り額 約311万5201円
 
上記のように、税法上の扶養家族に入れることで年間数万円の節税効果が予想されます。
 

扶養家族になるための条件などは?

国民健康保険には「扶養」は無く、企業などに勤務していて社会保険に加入している人(被保険者)の、扶養家族として加入することができます。
 
社会保険での扶養家族加入には、以下のような条件を満たすことが必要です。

<必ず必要な条件>
・社会保険に加入している人(被保険者)の直系尊属・配偶者で、被保険者に生計を維持されている人
・75歳未満であること
 
<同居の場合>
・被扶養者(扶養される人)の年収が180万未満で、被保険者の年収の1/2未満であること
 
<別居の場合>
・被扶養者の年収が180万円未満で、被保険者からの援助額より収入が少ないこと

親を社会保険の扶養に入れると、親自身は国民健康保険料と介護保険料を支払わずに済みます。
 
ただし、75歳以上だと扶養から外れます。75歳以上になるとすべての人が「後期高齢者医療制度」の対象になり、年金収入が年18万円以上の場合は「後期高齢者医療保険料」と「介護保険料」が年金から天引きされます。年金が年18万未満の場合は自治体からの納付書・銀行引き落としを利用して支払う必要があります。
 

まとめ

「扶養家族」には税法上・社会保険上での2種類があります。また、高額療養費制度・確定申告や年末調整での医療費控除の合算をすることもできるので、親の医療費負担を軽くすることができます。
 
扶養家族に入れるか、お互いに家計を分けて生活するか、親が定年間近の時に話し合っておくのも良いでしょう。
 

出典

国税庁 No.1180 扶養控除
全国健康保険協会(協会けんぽ) 被扶養者とは?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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