【世界と比較】日本の消費税率は高い? 消費税の役割を解説
配信日: 2023.04.12
本記事では、日本と世界の消費税率を比較するとともに、消費税の用途について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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日本と世界の消費税率
2023年4月現在、日本の消費税率は10%です。2019年に税率が引き上げられた際、同時に軽減税率制度が開始されました。飲食店において、店内飲食は10%、テイクアウトは8%と消費税が変わることで、対応に迷った人も多いかと思います。
日本の消費税は年々上昇し、複雑になっていますが、世界各国の消費税率はどのくらいでしょうか?
消費税率が最も高い国・低い国を解説するとともに、世界の消費税率を一覧表で紹介します。
消費税率が最も高い国はハンガリー
財務省の「諸外国等における付加価値税率(標準税率及び食料品に対する適用税率)の国際比較によると、2022年1月時点で、世界で最も消費税率が高い国はハンガリー、標準税率は27%です。軽減税率も存在し、項目によって18%と5%に分けられます。
穀物や小麦などを使用した製品や乳製品などは18%、食料品や医療品、書籍などは5%と、日常的に購入する商品は軽減税率の対象となり、生活の負担を軽減する工夫がされています。
消費税率が最も低い国は台湾
消費税率が導入されている国の中で、最も低い国は台湾です。台湾では消費税率を営業税と呼んでいます。1986年に導入されて以来、一度も引き上げられていません。
観光業に力を注いでいる台湾では、外国籍旅行者を対象に税金還付制度があります。対象店で1日2000元以上購入すると、消費税から手数料14%を引いた金額が還付される仕組みです。
世界の消費税率一覧表
世界各国の消費税率を抜粋して低い順に紹介します。
【図表1】
順位 | 消費税率 | 国名 |
---|---|---|
1 | 5% | 台湾 |
2 | 7% | シンガポール |
3 | 7.7% | スイス |
4 | 10% | ベトナム |
10% | 韓国 | |
10% | 日本 | |
10% | インドネシア | |
10% | カンボジア | |
10% | オーストラリア | |
10 | 13% | 中国 |
13% | カナダ | |
12 | 15% | ニュージーランド |
13 | 18% | トルコ |
14 | 19% | ドイツ |
15 | 20% | イギリス |
20% | フランス | |
20% | オーストリア | |
18 | 21% | スペイン |
21% | オランダ | |
21% | ベルギー | |
21 | 22% | ポーランド |
22% | イタリア | |
23 | 23% | アイルランド |
24 | 24% | ギリシャ |
24% | フィンランド | |
26 | 25% | スウェーデン |
25% | ノルウェー | |
25% | デンマーク | |
25% | クロアチア | |
30 | 27% | ハンガリー |
財務省「消費税など(消費課税)に関する資料」を基に作成
一覧で見ると、日本の消費税率は世界と比較すると低いことが分かります。ヨーロッパ諸国は消費税率が高い傾向にありますが、その分、日常的に必要な食品や製品の購入時には、軽減税率が適用されることが多いようです。
日本の消費税の使い道
上昇傾向にある日本の消費税は、どのように利用されているでしょうか?
消費税の役割と、消費税以外にも所得税や法人税など、国が1年間活動するために集められた資金の、令和4年度の使途予算は以下のとおりです。
・年金:13.4兆円
・医療:12.1兆円
・介護:3.6兆円
・子ども、子育て支援:3.1兆円
・地方の社会保障の財源、一般財源:13.1兆円
まとめ
日本の消費税率は年々上昇し、10%となって負担に感じる人も多いかと思いますが、世界と比較すると低い消費税率であることが分かりました。消費税率が高いヨーロッパ諸国同様、軽減税率を導入して負担軽減も図っています。
日本の消費税の多くは社会保障の財源として利用されており、身近な地域の暮らしのために使われています。
今後も変更の可能性がある消費税率ですが、世界の取り組みと比較して、さまざまな視点で日本の消費税を考えていきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.6102 消費税の軽減税率制度
財務省 消費税など(消費課税)に関する資料
独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO) ハンガリー 税制
財務省 消費税の使途に関する資料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部