更新日: 2023.04.26 控除
【退職金】退職金にも税金がかかる?所得控除はどうやって計算する?
退職金は定年退職後の生活などを送るために重要になるため、自分がもらえる退職金にどれくらいの税金がかかるか把握するのは大切です。定年退職後の生活では、どれくらいの退職金がもらえるかによって行動が変わるでしょう。
本記事では、退職金1000万円にも税金がかかるかどうか、所得控除はどうやって計算するかなどについて解説するので参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職金1000万円でも税金がかかるかどうか
退職金1000万円でも税金がかかるかどうかですが、かかる場合もあればかからない場合もあるのというのが結論です。退職金は退職所得控除の計算がされるため、勤続年数などによっては退職金に税金がかかったり、かからなかったりします。退職所得控除の計算では勤続年数が重要になっており、基本的には勤続年数が長いほど退職所得控除額は多いです。
勤続年数20年以下 退職所得=40万円×勤続年数
勤続年数20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
退職金1000万円で勤続年数が20年なら1000万円-40万円×20年=200万円が課税対象になり、勤続年数が25年なら1000万年-(800万円+70万円×5年)=-150万円で非課税になります。このように同じ退職金をもらったと仮定しても、勤続年数によって退職金に税金がかかるかどうかが違うケースも少なくありません。
退職所得に対しての所得税
退職所得の控除額を計算した結果、課税対象になる退職金がある場合は所定の所得税率と控除額によって所得税が計算されます。一般的な累進課税と同様に課税退職所得金額が多くなれば税率も高くなるため、自分がどれくらいの課税隊所得金額になるかは把握しなければなりません。
退職所得に対しての所得額や控除金額は図表1のようになります。
図表1
課税退職所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円から194万9000円 | 5% | 0円 |
195万円から329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万円から694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万円から899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万円から1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万円から3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円 | 45% | 479万6000円 |
国税庁 退職金と税を基に作成
退職金所得税の計算方法としては課税退職所得金額×1/2×税率-控除額であり、先述したように退職金1000万円で勤続年数が20年の場合、200万円×1/2×5%-0円=5万円が所得税として徴収されます。加えて復興特別所得税2.1%が課税されるため、5万円×2.1%=1050円が加算された5万1050円が所得税です。
課税退職所得金額が4000万円を超える場合、所得税率は45%と退職金の半分近くを税金として支払わなければなりません。どれくらいの退職金がもらえるかは会社の退職金制度などによって異なり、実際に退職する前には会社に対してどれくらいの退職金がもらえるか確認するのが大切です。
まとめ
退職金は所得税の課税対象になっているため、勤続年数や退職金額によっては所得税の支払いが求められます。退職金を受ける際の税金や確定申告に関しても、勤めていた会社に所定の書類を提出すれば自分でおこなう必要がありません。
退職する前には勤めている会社と退職に関して話し合いをおこない、必要書類などに関しては忘れないように提出しましょう。
出典
国税庁 退職金と税
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー