【年金】年金収入が月15万だと税金はいくら引かれる? 確定申告は必要?

配信日: 2023.04.26

この記事は約 5 分で読めます。
【年金】年金収入が月15万だと税金はいくら引かれる? 確定申告は必要?
仕事をして収入を得ると、そこから税金が引かれます。では、老後受け取る年金にも税金はかかるのでしょうか。かかるのであれば、確定申告は必要でしょうか。本記事では、年金収入にかかる税金や確定申告について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金にかかる税金とは

老後に受け取る国民年金や厚生年金は「雑所得」に分類され、税金が引かれます。ただし、年金収入すべてが課税対象となるわけではなく、収入からいくつかの控除を適用した後の残額が課税対象になります。
 
65歳以上で公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が1000万円以下の場合、年金収入から雑所得を求める方法は下記の図表1の通りとなります。
 
図表1

公的年金等の収入金額 公的年金等に係る雑所得の金額
110万円以下 0円
110万円超330万円未満 収入金額-110万円
330万円以上410万円未満 収入金額×0.75-27万5000円
410万円以上770万円未満 収入金額×0.85-68万5000円
770万円以上1000万円未満 収入金額×0.95-145万5000円
1000万円以上 収入金額-195万5000円

国税庁 高齢者と税(年金と税)を基に作成
 
図表1で求めた公的年金等にかかる雑所得に、もし他の所得があれば加え、合計の所得が2400万円以下であれば48万円の基礎控除が適用されます。
 
ほかにも、配偶者を養っている場合は配偶者控除、扶養親族がいる場合は扶養控除など条件に応じて控除が適用され、残った金額が課税対象の金額(課税所得金額)となります。
 

年金にかかる所得税

先ほど求めた課税所得金額を使って所得税を求めます。所得税を求めるには、図表2を使います。
 
図表2

課税所得金額 所得税額
1000円以上195万円未満 課税所得×5%
195万円以上330万円未満 課税所得×10%-9万7500円
330万円以上695万円未満 課税所得×20%-42万7500円
695万円以上900万円未満 課税所得×23%-63万6000円
900万円以上1800万円未満 課税所得×33%-153万6000円
1800万円以上4000万円未満 課税所得×40%-279万6000円
4000万円以上 課税所得×45%-479万6000円

国税庁 No.2260 所得税の税率を基に作成
 
2013年から2037年までは、上記に加えて復興特別所得税がかかります。復興特別所得税は、所得税額(基準所得税額)の2.1%です。
 

年金にかかる住民税

年金を受け取ると、所得税の他に住民税も引かれます。住民税には「所得割」と「均等割」があります。所得割は前年の課税所得の10%、均等割は所得にかかわらず5000円です(2023年時点)。
 

年金収入が月15万だと税金はいくら引かれる?

以上をふまえて、65歳以上で年金収入が月15万円(年180万円)で、それ以外の収入はない場合に引かれる税金をざっくり計算してみましょう。ここでは、基礎控除以外の控除はないものとします。
 
図表1を用いて公的年金等にかかる雑所得の金額を求めると、180万円-110万円=70万円です。ここに48万円の基礎控除を適用すると、課税所得は70万円-48万円=22万円となります。
 
図表2を用いて、所得税額は22万円×5%=1万1000円。復興特別所得税は1万1000円×2.1%=231円なので、あわせて1万1000円+231円=1万1231円が引かれることになります。
 
次に住民税を計算しましょう。住民税は前年の所得で計算されますが、ここでは簡易的に前年と本年の所得が同じとして考えてみます。所得割は課税所得の10%なので、22万円×10%=2万2000円で、さらに均等割の5000円を加えて、2万2000円+5000円=2万7000円となります。
 
所得税(復興特別所得税含む)と住民税を合計すると、1万1231円+2万7000円=3万8231円となります。つまり、65歳以上で年金収入が15万円の場合、引かれる税金は3万8231円程度になると分かります。
 

年金を受け取った場合、確定申告は必要か

公的年金は基本的に源泉徴収された金額が振り込まれますが、下記にあてはまる人は確定申告をする必要があります。


・公的年金等の収入が400万円を超える場合
・公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額(給与や不動産収入など)が20万円を超える場合

まとめ

公的年金には所得税(復興特別所得税含む)と住民税がかかります。65歳以上で年金収入が15万円程度であれば、あわせて3万8000円程度の税金が引かれます(税額は条件によって異なります)。
 
年金は源泉徴収されたものを受け取りますが、条件によって確定申告が必要な場合もあることを覚えておきましょう。
 

出典

国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 No.2260 所得税の税率
総務省 個人住民税
国税庁 公的年金等を受給されている方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集