更新日: 2023.06.08 その他税金
親から結婚資金として「100万円」をもらいました。税務署に申告は必要ですか? 現金ならバレないでしょうか?
本記事では、親から結婚式関連資金として100万円を現金でもらった場合、所得とみなされて税務署に申告する必要はあるのか、現金でもらったから放置してもバレないのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親からの支援に税金はかかる?
結婚式関連資金として親から直接現金で100万円受け取った場合、所得や贈与とみなされて税金が発生するのでしょうか。
結婚式や新生活関連では100万円以上のお金が動くことも少なくありません。結婚式をするのに300万円かかり、親や親族から150万円援助してもらうようなケースもあるでしょう。
株式会社リクルートが運営する「ゼクシィ結婚トレンド調査2022調べ」では結婚式の関連費用としての親・親族からの援助があったと回答した人は71.9%、具体的な金額は100万円から200万円未満が40%近くで最も多くなっています。
結論からいえば、親からの支援金に原則税金はかかりません。結婚式当日などに友人から受け取ることが多い御祝儀も同様です。そのため通常の確定申告のように税務署に申告する必要はありません。
なぜなら、「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」は贈与税がかからないからです。
また、「直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち一定の要件を満たすものとして、贈与税の課税価格に算入されなかったもの」も贈与税がかからないからです。結婚行事は、新郎新婦2人だけでなく両家が深く関わるものです。そのため新郎新婦だけでなく親や親族が結婚関連費用を負担しても不思議ではありません。
ただし、あくまで結婚関連に使う必要があります。結婚式の費用として100万円受け取ったにもかかわらず、本当は全然使わずに貯金したなどの場合は所得や贈与とみなされる可能性があります。
現金で受け取ったから放置してもバレない?
受け取った100万円は、仮に結婚以外の目的で使ったり貯金したりしても「現金で受け取ったからバレないよね?」と思う人もいるかもしれません。確かにすぐにバレる可能性は低いかもしれませんが、意図的に隠すと税務署から目をつけられる可能性もあります。
国税庁は国税総合管理(KSK)システムを使って、私たちの収入や財産などを把握しています。給与所得の源泉徴収制度や毎年の確定申告のデータが蓄積され、KSKシステムによって普段の収入や支出に大きな乖離(かいり)が発生すると「この人は別に財産を隠しているのではないか」と疑いの目を向けられる可能性があります。
1億円や2億円単位のタンス預金は、相続税の場面で問題になることが多いですが、今回のような100万円単位では通常の生活費として決して多すぎる金額ではないため、税務調査などに発展する可能性は低いかもしれません。
ただし、絶対はないので「いつ税務署にバレてもおかしくない」前提で対策した方がいいといえるでしょう。
親から結婚資金として100万円を現金でもらった場合は、通常の確定申告と同様に使用用途などを把握して領収書やメモを残しておきましょう。そうすれば万一税務署に尋ねられたとしても堂々と説明できます。
まとめ
今回は、親から結婚資金として100万円を現金でもらった場合、税務署に申告して納税する必要はあるのか、放置してもバレないのか解説しました。
親から結婚資金を受け取った場合、原則税金はかかりません。ただ、現金のやり取りだからバレないと考えるのは早計です。私たちのお金の流れは想像以上に把握されていると考え、結婚資金を何に使ったのか、それぞれの金額などは万一に備えて記録しておくことをおすすめします。
出典
株式会社リクルート ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー