更新日: 2023.06.23 その他税金

念願のデュアルライフ! でも住民税って2つの地域に納付しなくちゃいけないの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

念願のデュアルライフ! でも住民税って2つの地域に納付しなくちゃいけないの?
都会の騒がしさと田舎の静寂、どちらも手放せない。そんな方々にとって、デュアルライフは注目のライフスタイルとなっています。
 
2つの街に拠点を設けて、日々を過ごすという理想の生活を手に入れた人にとって、気になるのが住民税の問題です。2つの拠点があるからこそ「住民税は、 両方の自治体に納付しなければならないの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
 
本記事では、デュアルライフと住民税の関係について、分かりやすく解説します。トラブルを避けながら念願のデュアルライフを送るためにも、住民税とデュアルライフの関係性を確認してみてください。
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デュアルライフとは?

デュアルライフとは、都市と地方、2つの拠点を行き来する新たなライフスタイル「二拠点移住」のことを指します。コロナ禍がきっかけとなり、この柔軟性のあるライフスタイルに改めて注目が集まりました。
 
デュアルライフなら、都市の利便性と田舎の豊かな自然を同時に楽しむことが可能です。新たな人間関係や地元での活動、趣味など、一時的な滞在では得られない価値も実感できます。
 
また、1つの拠点にとどまらず、片方の地域で得た経験や知識をもう片方の地域で生かしながら生活できる点が魅力です。国土交通省では東京一極集中の是正と地域活性化を目指し、デュアルライフこと「二地域居住」を推進するなど、国による後押しもある状況です。
 

デュアルライフと住民税

デュアルライフを送るためには、税金にも目を向ける必要があります。中でも、特に気をつけたいのが「住民税」です。本項では、住民税の基本的な概念と、デュアルライフ時の住民税の取り扱いについて解説します。
 

住民税とは

個人住民税は、各市区町村(都道府県)に住所がある個人が納付する税金で、基本的には1月1日時点での居住地で課税されるものです。個人住民税は主に均等割と所得割の2つから成り立っています。
 
均等割とは、非課税限度額を上回る収入を得ているすべての個人から一定額を徴収する方式で、所得の多寡に関わらず負担額は同じです。一方、所得割は所得の額に応じて課税額が決まる方式で、所得が多いほど負担額も増えます。
 

デュアルライフ時の住民税

住民税は、住民票を置いている自治体で課税されます。しかし、デュアルライフを送る場合、セカンドハウスを所有している自治体でも住民税が一部課税されます。住民税の均等割は、市町村内に家屋敷を所有している個人に対して課税される決まりだからです。持ち家か賃貸かは関係ありません。
 
つまりデュアルライフを送るということは、住民票を置いている自治体で住民税の均等割と所得割が課税され、セカンドハウスのある市町村で均等割が課税されるということです。
 
ただしこれらの税制については変更される場合もあるため、最新の情報を確認し、適切な対応を心がけてください。
 

デュアルライフ時の注意点

デュアルライフで住民票を置かないほうの拠点で生活する際、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。生活の質や出費に関わる部分のため、事前に把握して対策したいものです。本項では、デュアルライフで 住民票を置かない拠点での注意点を解説します。
 

公的サービスの利用が制限されることがある

デュアルライフを実現する際の注意点として、自治体によっては公的サービスの利用に制限があることを理解しておくことが大切です。
 
例えば住民票を置いていない地域では、図書館などの公共施設の利用や、医療、福祉などのサービスを受けられない場合があります。二拠点生活をする際は利用できるサービスに制約が出ることを頭に入れておくことが必要です。
 

地域によっては支援制度がある

二拠点居住者に向けた支援制度を設けている地域も増えています。例えば一部の自治体で行っているのが、新しい生活スタイルとしてのデュアルライフを推進するために、一時的に滞在し、テレワークや創作活動など、地域活性化に資する活動を行う方々に対して家賃の一部を助成する制度です。
 
このような制度をうまく活用すると、デュアルライフでの支出を抑えられます。ただし申請書を提出するのが一般的なので、制度を利用したい方は必要書類や提出期限などをきちんと確認しておきましょう。
 

セカンドハウスは固定資産税が軽減される

デュアルライフを送る際にセカンドハウスを所有することになった場合、その物件が「住宅」同様に認定されれば、自治体によっては税制上の軽減措置を受けられる可能性があります。
 
軽減措置を受けられるかどうかは自治体により異なるため、詳細は該当の自治体に問い合わせてください。
 

デュアルライフを始める前に住民税や固定資産税などをしっかり確認しておこう

デュアルライフを始める前には、住民税の取り扱いについて理解しておくことが重要です。住民税の一部が住所地以外の拠点でも課税されるのは、市町村内に家屋敷を所有している個人に対して住民税の均等割が課税されるからです。
 
また、自治体によって公的サービスの利用制限や支援制度、セカンドハウスの税制上の軽減措置が存在するため、これらも事前に確認が求められます。デュアルライフをスムーズに始めるためには、各自治体のルールを理解し、適切に対応してください。
 

出典

国土交通省 全国二地域居住等促進協議会
財務省 住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?
総務省 個人住民税における二地域居住の論点について
東京都主税局 個人住民税の特別徴収推進ステーション <特別徴収Q&A>
小松市 こまつ二地域居住支援制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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