更新日: 2023.07.26 その他税金
ポテトチップスに課税する国が存在する!?世界と日本のユニークな税金・罰金
今回は、世界のユニークな税金のほかに、日本にある/あったユニークな税金についても、ご紹介します。豆知識として覚えておいて、コミュニケーションのきっかけや、話題の一つとして、周囲の方に話してみてはいかがでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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世界のユニークな税金・罰金6選
世界では、一風変わった、ユニークな税金・罰金の制度が設けられていることがあります。
社会問題を解決するための、いたって真面目な制度なのですが、日本人からみると「それに税金をかけるの?」「それで罰金を取るの?」と、不思議に思うものもあります。制度と、目的・背景、導入している国は、表1のとおりです。
健康問題に関する施策の一つとして、特定の食品へ課税する事例が、多くみられることが分かります。
例えば、ハンガリーでは、ポテトチップスや、砂糖や塩分の高いスナック菓子や清涼飲料水などに対して税がかけられ、ポテトチップスには、1kgあたり200フォリント(※)が課税されます。
※フォリント:ハンガリーの通貨。200フォリントは、2023年7月25日時点の日本円換算で、82.77円
表1
税金・罰金制度 | 目的・背景 | 国 |
---|---|---|
混雑税 | 慢性化した渋滞の解消のために課せられる税金 | アメリカ・ ニューヨーク州 |
閉店法の罰金 | 法律で許可されている事業以外で、日曜日や祝日に従業員を働かせた場合に、徴収される罰金 | ドイツ |
光るおもちゃ税 | 花火やおもちゃのピストルなどを販売する事業者に課税 | アメリカ・ ウエストバージニア州 |
※筆者作成
一見すると、ユニークでおもしろい税制も多いのですが、社会問題へのアプローチとしての、各国の試行錯誤が背景にあります。
実は日本にもある/あった! ユニークな税金
日本にも、ユニークな税金はあります。現在でも運用されている税金でいえば、入湯税が挙げられます。温泉へ入る際に課税され、基本税額は150円となり、利用料金や宿泊料金に上乗せされるものです。
また、すでに廃止されている税制でいえば、表2のものがあります。
表2
税金名 | 概要 |
---|---|
菓子税 | 海外から輸入された砂糖から、国内産を保護するために設定された税金 |
扇風機税 | エアコンがなかった時代に、扇風機はぜいたく品だったため、物品税(しこう品を対象にした間接税)の一種として |
蓄音機税 | 扇風機税と同様 |
醤油税 | 清酒や濁酒とセットで「三造」として課税されていたが、醤油は日常必需品だとして廃止 |
清涼飲料税 | サイダーをはじめとした、炭酸ガスを含む飲料へ課税。明治時代末頃から、高級飲料として扱われたために導入されて、消費税に組み込まれる |
流木税 | 林業が盛んな地域で、いかだ流し(材木を組んでいかだにして、川に流して運ぶ方法)をする際にかかった税金 |
※筆者作成
実は日本にも、課税目的は異なるものの、アメリカの「ソーダ税」と同じような税金がありました。生活を営む方法や、その時代の「ぜいたく品」に関する認識などが関係して、税制も時流に合わせて変化しています。
ユニークな税金を入り口に税金について知るのもおすすめ
日本国内外を問わず、ユニークな税金が多くあります。その目的や背景には、さまざまなものがあり、興味深いと思った方もいたのではないでしょうか。ユニークな税金を取っかかりにして、税金について、改めて学んでみるのもよいかもしれません。
出典
国税庁「税の歴史クイズ」
総務省「入湯税」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー