更新日: 2023.07.31 控除

市販の「風邪薬」も対象!? 医療費控除やセルフメディケーション税制はどういうときに利用できる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

市販の「風邪薬」も対象!? 医療費控除やセルフメディケーション税制はどういうときに利用できる?
「病院にかかっているわけではないのだけど、今年はよく体調を崩してしまい、薬代がかさんでしまった……」
「普段の通院費用に加えて、風邪薬や湿布薬も服用したため、今年は出費が多い」
こうした悩みに、頭を抱えた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
病気やけがを治すために購入した薬代は、控除分として申請すれば、税金が軽くなるかもしれません。医療費や薬代の支出に適用できる控除を、2種類ご紹介します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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医療費控除とは? 利用できるのはどんな人?

納税をしている自分自身と、生計を同じくする家族が支払った医療費が一定のラインを超えた場合、所得税や住民税の負担を軽減できます。この仕組みを、医療費控除といいます。
 
対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費から、保険金による補塡(ほてん)分と10万円を差し引いた金額です。病院での治療費用のほか、治療・療養に必要な医薬品の自主購入費用も「医療費」に含まれます。
 
対症療法的に使われる解熱鎮痛薬(風邪薬)、頭痛が起こった際に使っている鎮痛薬、捻挫した際の湿布薬などは、医療費控除の対象となるため、レシートや領収書を保存しておきましょう。
 
ただし、予防や健康維持を目的とするもの(サプリメント、肩こり予防のための湿布など)は、医療費控除で申請はできません。医療費控除の対象となるかどうかは、医薬品の種類や成分ではなく、目的によって変わるため、注意が必要です。
 

10万円に届かないときでも申請できるセルフメディケーション税制

医療費控除の対象金額は「実際に支払った金額-(保険の補塡分+10万円)」となるため、申請するには、医療費として10万円以上を使っている必要があります。とはいえ、支出が7万円や8万円などで、10万円に届かなければ、負担軽減の制度が使えないのかというと、そうではありません。
 
医療費控除の特例として「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)」が設けられているため、こちらの利用を検討してみるのもよいでしょう。
 
セルフメディケーション税制は、一定の健康診断や予防接種を受けている人に限り、1万2000円~8万8000円の特定一般用医薬品購入額を、控除額として適用するというものです。
 
ただし、こちらの制度で申請できるのは、セルフメディケーション税制の対象医薬品のみ。普段から服用している医薬品がある場合は、厚生労働省が公表している「セルフメディケーション税制対象品目一覧」を確認しておくとよいでしょう。
 
また対象となる医薬品は、以下の点でも確認できます。もし、対象医薬品であるか分からずに迷ったら、白衣を着ている登録販売者に聞いてみるのもよいでしょう。

<セルフメディケーション税制の対象となる医薬品の見分け方例>

●店頭に「セルフメディケーション税控除対象」のマークが掲示されている
●医薬品のパッケージに「セルフメディケーション税控除対象」のマークが印刷されている
●レシートの品目に、丸印や星印などのマークがついている

 

控除を申請する際の注意点

控除を申請する際には、会社員の場合でも、確定申告が必要となります。
 
確定申告と聞くと、気が重くなる方もいらっしゃるかもしれませんが、必要書類をダウンロードして、源泉徴収票などから必要な情報を転記して、税務署へ送付すれば、手続きは完了します。源泉徴収票があれば、スムーズに書類作成ができるでしょう。
 
また、医療費控除の申請ができるのは、だいたい2月16日~3月15日の1ヶ月程度に限られることと、セルフメディケーション税制との併用ができないことを、把握しておきましょう。
 

制度を知って医療費による家計負担を減らそう

体調が悪かったり、持病があったりするときは、どうしても医療費がかかってしまいます。一年のうちに、何万円も医療費に充てている場合は、生活費が圧迫されて、悩むこともあるかもしれません。その際は、医療費控除やセルフメディケーション税制を申請して、負担を軽減しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
厚生労働省 「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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