更新日: 2023.08.02 確定申告
亡くなった人の分も確定申告が必要って本当!? 「準確定申告」ってどんなもの?
本記事では、亡くなった人の確定申告の必要性や条件、方法、必要な書類について詳しく解説します。ぜひ、相続や遺産の管理をスムーズに進めるための参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
亡くなった人の分の確定申告は必要?
亡くなった人にも確定申告が必要な場合があります。これは「準確定申告」とよばれ、相続人が行わなければなりません。具体的には、亡くなった人が1月1日から死亡した日までに得た所得と税額を計算し、申告・納税を行います。
準確定申告は相続が開始されたことを知った翌日から4ヶ月以内に、遺産を受け取る全相続人の連署により提出しなければなりません。
申告の流れを把握しておくと、相続時の手続きがよりスムーズに進みます。しっかりと準備して、適切な対応を心掛けましょう。
亡くなった人の確定申告が必要となる条件
亡くなった人の確定申告が必要となる状況において、特に注意が必要なのは以下のようなケースです。
まず、亡くなった人が何らかの収入を得ていた場合、準確定申告が必要です。例えば、アルバイトや2つ以上の職場から給与を受け取っていた場合や自営業者だった場合、400万円以上の年金を受給していた場合などがあります。
また、亡くなった人が会社員なら通常は準確定申告の必要はありませんが、年間2000万円以上の給与収入があった場合は必要です。
さらに、特定の所得控除や税額控除を適用する場合も、準確定申告が求められます。具体的な計算方法については、各種所得の合計から所得控除を引いた額を課税対象とし、その額に所得税の税率を掛け、配当控除額を引くという手順で求めます。
このように、さまざまなシチュエーションで確定申告が必要となるため、相続人は確認と準備を怠らないようにしましょう。
亡くなった人の確定申告の方法
準確定申告の申告書は、手書きかe-Tax等で作成し、窓口へ持参か郵送、またはe-Taxで申請します。一般の確定申告とは異なり、確定申告書等作成コーナーで申告書を作成できない点に注意してください。
申告書には各相続人の氏名・住所・被相続人との続柄を記入し、被相続人が死亡時にいた納税地の税務署に提出しなければなりません。
亡くなった人の確定申告に必要な書類
亡くなった人の確定申告には、下記のような書類が必要です。
・所得税および復興特別所得税の確定申告書付表
・確定申告書
・委任状
・亡くなった人の源泉徴収票
・亡くなった人の控除証明書
・亡くなった人にかかった医療費の領収書など所得控除証明書類
まず、確定申告書付表が必要です。還付金の受け取りを相続人の代表者に委任する場合は、委任状も必要です。これらの書類は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
さらに、確定申告書、亡くなった人の源泉徴収票、控除証明書、医療費の領収書なども準備しなければなりません。書類が見つからず再発行が必要な場合は、時間がかかることがあるので余裕をもって準備を始めましょう。これらの書類が整えば、スムーズに申告を進められます。
亡くなった人の確定申告の書類は早めに準備を!
亡くなった人の確定申告が必要な場合、相続人が「準確定申告」とよばれる手続きを行います。亡くなった人が年間を通して得た所得と、それに対する税金を計算し、死亡した日までの所得に対して申告・納税を行わなければなりません。
準確定申告は、相続人全員が連名で行う必要があります。所得証明書や領収書など、そろえるのに時間がかかる書類は早めの準備をおすすめします。
親族が亡くなると、必要となる手続きは意外に多いです。順次手続きを行って、亡くなった人の税務を円滑に進めましょう。
出典
国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
国税庁 確定申告が必要な方
国税庁 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー