更新日: 2023.09.06 その他税金

【年1000円】2024年から「森林環境税」が課税されるって知っていますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【年1000円】2024年から「森林環境税」が課税されるって知っていますか?
2024年から、新たに「森林環境税」が課税されることになりました。しかし「森林環境税ってどんなことに役立てられるの?」「いくら課税されるの?」か、具体的に知らない人もいるでしょう。
 
本記事では、森林環境税とは何か、どのように役立てられるのかについて解説します。森林環境税がどう使われるのかなどを把握することで、正しく使われることにつながるでしょう。
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森林環境税とは?

森林環境税は、森林整備等のために必要な地方財源を安定的に確保するために創設された税金で、2024年度から課税されます。しかし、具体的な目的やどのように役立てられるのか、いくら課税されるのか分からない人もいるでしょう。
 
本項では、森林環境税の目的や、どのくらい課税されるのかについて解説します。また、森林環境税の使い道についても見ていきましょう。
 

森林環境税の目的

森林環境税は、パリ協定における温室効果ガス排出削減目標の達成および、災害防止を図ることを目的とします。課税の目的は、森林整備等に必要な財源を確保するためです。
 
自治体によってはすでに森林環境税(名称は自治体によって違う)を徴収している場合もあります。しかし今回の森林環境税は、国へ納める税金なので新しい別の税金となります。
   

森林環境税は年1000円

森林環境税の課税額は、住民均等割と併せてひとり年1000円の予定です。国民から集められた国税ではあるものの、各自治体へ森林環境譲与税として譲与されます。どのように使うかは各自治体に任されますが、使い道については公表しなければならないことになっています。
 

森林環境譲与税の使い道

森林環境譲与税の使い道として考えられるものは、主に以下のとおりです。

・森林整備の支援
・木材利用の推進
・事業支援システムの構築
・森林づくりを担う人材育成・確保
・職員等の研修費用
・基金積立

森林環境譲与税がどのように使われるか気になる人は、住んでいる自治体のホームページを確認しましょう。
 

森林環境税の問題点

2024年から新たに森林環境税が課税されることで、温室効果ガスの削減や災害の防止への対応が期待されます。しかし、新たな税金が創設されたことによる問題点があることは見逃せません。
 
本項では、森林環境税にはどのような問題があるかについて解説します。森林環境税の問題点について関心をもつことで、自分が納めた税金が正しく活用されることにつながるでしょう。
 

納税者の負担が増える

森林環境税の負担額は、住民税均等割と併せてひとり年1000円です。すでに自治体による森林環境税を負担している人の場合、二重の税負担となるでしょう。国民にとって、税負担が増えることは生活へ直結する問題といえます。
 

使途・配分における課題

森林環境税は「森林環境譲与税」として、各自治体に譲与されます。上述のとおり、贈与された税金の使途については、国からの具体的な指示はなく各自治体にゆだねられています。
 
そのため、専門の担当者がいなかったり人手が足りなかったりする自治体では、どのように森林環境税を活用すべきか分からない状況で、せっかくの税収を活用できません。
 
また、都市部のような森林ゼロ地域であっても、基準をクリアすれば森林環境贈与税として税金が譲与される点も問題として挙げられます。森林環境税の配分に関しても、クリアしなくてはならない課題といえるでしょう。
 

森林環境税に関心をもって長期的に見ていこう

2024年から、パリ協定の枠組みのもとで温室効果ガス削減目標達成や災害防止を目的として、森林環境税が課税されることになりました。しかし、国民の税負担が増えるのではないか、税金が正しく使われるのかなど、問題点はさまざまあります。
 
森林環境税がどのように活用されるのかについて関心をもち、正しく使われるかなど定期的に確認をするなど、長期的に見ていくことが大切でしょう。
 

出典

総務省 地方税制度 森林環境税及び森林環境譲与税について
総務省・林野庁 令和3年度における森林環境譲与税の取組状況について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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