更新日: 2023.09.19 その他税金
母から「結婚資金に貯めてた」と400万円もらいました。そのまま受け取っても大丈夫ですか? 結婚の予定がないと税金がかかるのでしょうか?
今回は、結婚するつもりがない子が親から400万円をもらった場合、発生する税金や非課税にする方法などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親から子へ400万円の贈与で税金はいくらかかるか
親が子にまとまった財産を贈与した場合、金額によっては子どもに贈与税の支払い義務が発生します。贈与税には年間で110万円の基礎控除があり、それを超える分が課税対象です。
例えば、400万円をもらったのであれば、110万円を差し引いた残りの290万円に対して贈与税が課されます。贈与税額は、決まった税率を課税価格に乗じることで算出します。税率には「一般税率」と「特例税率」の2種類があり、直系尊属が成人した子に財産を贈与する場合は特殊税率を用いて計算します。
それでは、成人した子が親から400万円を受け取った場合の贈与税額を計算してみましょう。特例税率では、基礎控除後の金額が200万円を超えて400万円以下のときの税率は15%で、10万円の控除があります。計算すると以下のようになります。
「基礎控除後の課税価格:400万円-110万円=290万円」
「贈与税額の計算:290万円×15%-10万円=33万5000円」
親から400万円の贈与を受けた場合、子は贈与税として33万5000円を納めなければなりません。
非課税にする方法とは
2025年3月31日までは、親や祖父母などの直系尊属が子に結婚資金を援助するケースであれば、300万円までは非課税となります。これは「父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」が適用されるためです。
ただし、制度を利用するためには、贈与者が金融機関に専用口座を開設して手続きする必要があります。受贈者は、結婚資金として使用したことを証明するために領収書などの提出が求められます。なお、今回のケースでは、子に結婚する予定がないため、制度の適用はできません。
非課税にするほかの方法としては、贈与税の基礎控除額の範囲内で贈与する方法があります。400万円を一括で贈るのではなく、年間で110万円以下に抑えて何度かに分けてわたせば贈与税は発生しません。税金が発生しないため、贈与税の申告も不要です。
毎年基礎控除額以下の金額で贈与する場合の注意点
毎年、基礎控除額の110万円以下の金額を親から子へわたすなら、基本的に贈与税は発生しません。ただし、毎年同じ時期に同じ金額を贈与し続けると、税務署に「定期贈与」とみなされて課税される場合があるので注意しましょう。
定期贈与とは、「毎年一定の金額をわたす」という契約(約束)に基づいて実行される贈与を指します。
例えば、親子の間で400万円を毎年100万円ずつ4回に分けてわたすという取り決めをしたとしましょう。すると、取り決めを行なった年に400万円を受け取る権利が贈与されたとして、総額の400万円について、子に贈与税が課税されます。
定期贈与とみなされないためには、毎年お金をわたす度に贈与契約書を作成するのが有効です。わたすタイミングや金額も、年によって変えるとよいでしょう。
400万円を一括で受け取ると贈与税がかかるので注意
親が子に財産を贈与する場合、年間で110万円の基礎控除額を超える分に対しては贈与税がかかります。基礎控除額以下の金額を贈与するのであれば、税金は発生しません。そこで、子に400万円をわたすのであれば、何度かに分けて贈るようにするとよいでしょう。
ただし、定期贈与とみなされると、課税対象になる恐れがあります。そのため、毎回貯めたお金をわたす際に贈与契約を結ぶなどの対策を取る必要があるでしょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー