25年で販売数量は3分の1に! それでも税収が変わらない「タバコ税」の恐ろしさ
配信日: 2023.10.08
2023年10月時点では「ケント・ネオスティック」が現行の530円から550円に改定となります。値上げにより販売数量が減っているタバコですが、驚くことにタバコ税の税収は変わっていません。本記事ではタバコの販売量とタバコ税、禁煙や減煙の金銭的メリットについて紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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タバコの販売数とタバコ税
まずは、タバコと販売数量、タバコ税についてみていきましょう。
販売数量と税収について
図表1の財務省のたばこに関する資料より、タバコの販売数は平成8年の3483億本をピークに令和3年時点では937億本まで減少しているのに対し、地方や国のたばこ等の税収はほぼ横ばいで、最も税収が少なかったのが昭和60年の1兆7500万円、最も税収が多かったのが平成23年の2兆3800万円となっており、令和3年時点では2兆300万円でほとんど変わっていないことが分かります。
これは当然、タバコの値上げによるものです。
図表1
出典:財務省 たばこ税に関する資料
販売数が減っていても税収が変わらないということは、いかにタバコから税金が徴収されているかということが分かります。
今後も値上げの見通しあり
タバコは増税・徴収しやすいものとされ、主な理由として以下がいわれています。
・医療費が補える
喫煙で健康を害しやすい人が税金を納めることで、その医療費にあてることになります。流れとしては当然といえるでしょう。
・税収確保のため
タバコ税は地方・国にとって貴重な税収です。増税によって喫煙者が少なくなると税収が減るため、よりタバコ税を増税するという流れになります。増税により喫煙者が減ると、さらに増税するという構図になり悪循環を生みます。それくらいタバコ税は貴重な税収で、徴収しやすいものです。
禁煙や減煙のメリットを把握しよう
タバコから、いかに税金が徴収されているか、お分かりいただけたと思います。健康面はもちろんのこと、金銭面でもデメリットが多いです。次に、禁煙や減煙による金銭面でのメリットについて紹介します。
JTの代表的なタバコの銘柄メビウスは、1箱20本入りで580円です。これを毎日1箱、50年間喫煙した場合は1058万5000円になります。
1ヶ月でも1万7400円、1年では20万8800円です。このひと月の金額を、NISAなどの想定利回り5%で20年間運用すると、715万1986円になります。700万円あれば、子どもの進学資金や自分の老後資金などの大きな足しになります。
仮に禁煙が難しく、1日の喫煙本数を半分の10本にしても、529万2500円節約できます。この金額があれば、比較的高級な車を購入できますし、ぜいたくな旅行にもいけるでしょう。当然、先ほど紹介したように投資も有効です。このように、禁煙や減煙による金銭的メリットは多大といえます。
まとめ
愛煙者はタバコ税により、多くの税金として納付していることになります。健康面でもデメリットが多く、禁煙や減煙をすれば金銭的メリットは非常に大きくなります。愛煙家にとってタバコは安らぎになるものですが、健康面や金銭面、そして税金面からタバコに対する視点を見直してみるのもよいでしょう。
出典
財務省 たばこ税に関する資料
金融庁 資産運用シミュレーション
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー