更新日: 2023.10.13 その他税金
本職の給与だけでは生活できないため、副業を始めました。年末調整や確定申告は自分で行わなければいけないですか?
これまでは本職の年末調整しか経験がないというケースも多いでしょう。そこで本記事では、副業による収入がある場合、上記の2点を自分で行う必要があるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
本職の勤務先で年末調整
基本的に、会社員は自分で所得税を支払うのではなく、会社が給与から天引きして納税を代行しています。この源泉徴収の方式で納められた所得税を年末に調整し、適切な納税額に直す手続きが年末調整です。
副業で別の会社から給与をもらっても、そこでの収入が本職を上回らない限り、年末調整は従来どおり本職の勤務先で行います。複数の会社で働いている場合、最も収入が多いところで書類を提出するという原則があるからです。
なお、その手続きに副業の分は含まれないので注意しましょう。また、扶養控除当申告書を提出できるのは1カ所だけですので、本職となる勤務先に提出します。
一方、副業が会社勤務ではなく、給与以外の形で報酬を得ているなら、そもそも年末調整について悩む必要はありません。前述のように、これは源泉徴収された給与所得者に対する制度なので、本職の収入に関してのみ従来どおり行うことになります。
副業の収入があるなら確定申告
副業の収入に関しては年末調整を行えないので、自分で確定申告をしなければなりません。勤務先で納税額の集計が終わると、年末から翌年1月をめどに源泉徴収票が届きます。
この書類を提出する義務はありませんが、そこに記載されている支払金額や源泉徴収額などのデータは、確定申告書の作成に必要です。勘違いしやすいポイントとして、本職の源泉徴収の必要性が挙げられます。
すでに年末調整を済ませたので、副業の分だけで良いと思われがちです。しかし、預金の利息といった一部の収入を除き、本職の分も含めて全収入を申告するルールとなっています。
よって、自分が受け取ったすべての源泉徴収票を用意しましょう。また、源泉徴収されていない副業は、報酬の支払明細書のように、収入を確認できる書類を別に準備しなければなりません。
確定申告が不要になるケース
ダブルワークをしていても、確定申告をしなくて構わない場合があります。本職以外の所得が年間20万円以下なら基本的には不要です。収入ではなく、所得が判定基準である点に気を付けましょう。所得とは収入から経費を差し引いた金額です。
例えば、副業でハンドメイドのアクセサリーを販売しているなら、材料費などを経費として計上できます。販売で24万円の収入を得ても、6万円の材料費などを支払ったら、所得は18万円なので確定申告をしなくても大丈夫です。
ただし、どのような費用でも経費と認められるわけではありません。特にプライベートの要素が強いものは否認されるため、判断が難しい場合は税務署に確認したほうが安心です。
副業をするなら納税の知識も習得しよう
副業で収入が増えても、納税の知識が希薄なままだと、喜んでばかりはいられません。年末調整の時期に焦ったり、確定申告について悩んだりする可能性があります。
このリスクを軽減したいなら、副業に関してどのような税務手続きが必要なのか、早めに把握することが大切です。安心してダブルワークを行うために正しい知識を身につけましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー