更新日: 2019.05.17 その他税金

いよいよ来年 消費税10%でどう変わる? 今買っておいた方がいいものは?

いよいよ来年 消費税10%でどう変わる? 今買っておいた方がいいものは?
2019年10月から消費税が10%に引き上げられます。その際、飲食料品等を中心に軽減税率8%も導入される予定なので、値段が上がるもの、上がらないものがあります。
 
また、価格が大きな住宅などは、8%から10%ではその差は非常に大きくなります。増税前に買った方がいいもの、そうでないものなどを今から整理しておきましょう!
 
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執筆者:FPwoman(えふぴーうーまん)

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消費税増税されるものされないもの

まずは、消費税が10%になるもの、そのまま8%で据え置かれるものを把握しましょう。
 
消費税8%は軽減税率制度の対象とされるもので、それ以外は10%となります。「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」が軽減税率の対象となります。
 

酒類・外食を除く飲食料品とは

ここで気を付けなければならないのが「酒類・外食を除く飲食料品」の定義です。
 
まず飲食料品とは食品表示法に規定する食品のことで、酒税法に規定する酒類は除かれます。食品とは全ての飲食物をいい、「医薬品」、「医薬部外品」を除き、食品衛生法に規定する「添加物」を含むものとされています。
 
つまり酒類や医薬品に類するもの以外は全てと考えていいでしょう。問題なのが「外食」とされる範囲です。外食やケータリングは軽減税率の対象とはならず、テイクアウトや宅配は対象となります。
 
ファーストフード店などで、店内で食べれば10%となり、持ち帰れば8%となるわけですから、この辺は非常にややこしいところです。
 

大きな買い物は増税前がいい?

1万円のものであれば、8%から10%になると200円増える程度ですが、車や家など金額が大きいものは、2%の増税が数万円から数十万円にもなります。
 
そうなると、増税前に買っておきたいと思ってしまいますが、そのあたりを詳しく見ていきましょう。
 

車の購入は?

たとえば200万円の新車を購入すると考えた場合、2%の増税で4万円負担が増えます。
 
そして、この増税時期に合わせて、自動車取得税は廃止され、新しい制度「環境性能割」が導入されます。
 
この「環境性能割」とは、燃費性能の良い車は税負担が軽くなり、燃費性能の悪い車は税負担が重くなるという特徴があります。ただし現行の自動車取得税にもエコカー減税によって、燃費性能の良い車ほど優遇されているため、それほど大きな違いにはなりませんが、新制度によって、燃費性能が良い車は非課税枠が広がり、より優遇されると思ってよいでしょう。
 
しかし、新制度に移行することで税金が減る場合でも、取得価格が200万円の車であれば数千円程度と考えられるため、消費税増税の影響の方が大きいと思われます。
 
以上のことから、車を購入するなら消費税増税前が良いと結論づけてしまいそうですが、実はそう簡単ではありません。車は値引き販売が可能な商品なので、消費税増税後で需要が落ち込んだ時こそ値引き交渉で安くなる可能性もあります。消費税増税前に駆け込みで購入するとかえって強気な価格設定で押し切られてしまう場合もあります。消費税増税前に購入するなら余裕をもったスケジュールで購入計画を立てるとよいと思います。
 

家の購入は?

人生で最も大きい買い物“マイホーム”はどうでしょうか。
 
物件価格が3,000万円の一戸建ての場合、土地代が1,500万円だとすると、土地には消費税はかからないため、建物部分の1,500万円の消費税が2%アップすると考えると、30万円の負担増となります。
 
一方で、「すまい給付金」の存在があります。これは消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために作られた制度で、平成26年4月から始まりました。
 
消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです。
 
たとえば、年収500万円の扶養家族が二人いる世帯の場合、8%であれば給付額は20万円であるのに対し、10%になると50万円となります。
 
※すまい給付金かんたんシミュレーションによる
 
増税分がすまい給付金によって相殺されるため、一定以下の所得の人にとっては増税の影響はほとんどないと言えるでしょう。
 

増税前に買っておいた方がいいものは?

車や住宅など、価格が大きいものは消費税増税の影響を強く受けるため、政府による緩和策が取られるなど、市場も対応を見せていますが、そこまでではない商品についての傾向を見ていきたいと思います。
 
増税前に買っておいた方がいいものは以下の二つです。
 
1.値崩れしにくいもの
2.定価で売られているもの
 
たとえば、ブランド品など、値引きをほとんどしないようなものは、増税分がそのままプラスされるため、増税前に買っておいた方がよいでしょう。
 
またチケットや航空券、定期券など、定価で買うものも有効期限に気を付けて、事前に購入しておくと良いと思います。
 
定期的に使っている高級な化粧品などは、まとめ買いをしてもいいかもしれません。(その際は有効期限をしっかり確認しましょう)
 

増税前に買う必要のないもの

衣類などは、一部のブランド品を省けば、増税よりもバーゲンなどの値引きの方が大きいため影響はほとんどないと言えます。
 
他にも、トイレットペーパーや洗剤などの日用品も普段の値下げ幅が大きいため、特に増税前に買い込む必要はないでしょう。
 

最後に。

いずれにしても、買うもの、買わないものの判断は冷静に行ってほしいと思います。増税前の駆け込み消費は、時に無駄遣いとなることがあります。2%を計算してみれば、たいした違いではないと気付くはずです。それよりも“今必要でないものは買わない”ことを心掛けた方が、家計にやさしい消費生活ができるでしょう。
 
TEXT:FPwoman 貯金美人になれるお金の習慣
石倉 博子(いしくら ひろこ)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®認定者。

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