更新日: 2023.10.26 控除

妻と子どもの2人でも、社会保険料は「1人分」でお得!? もし扶養2人分の社会保険料も引かれるようになったら、手取りは「3万円」減になる? 金額を試算

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

妻と子どもの2人でも、社会保険料は「1人分」でお得!? もし扶養2人分の社会保険料も引かれるようになったら、手取りは「3万円」減になる? 金額を試算
家庭を持って働いている人は、配偶者や子どもを社会保険の扶養にしている場合が多いでしょう。何気なく会社で扶養手続きを行ったかと思いますが、その後の社会保険料は変わりましたか?「え!? 変わってないけど」と驚きましたか。
 
そうです。社会保険料は扶養人数で変わらないのです。ただ、もし扶養人数分で天引きされたらどうなるのかについて考えたことはありますか? 本記事で計算してみたいと思います。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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社会保険(健康保険)の扶養とは

原則として年収130万円未満の人は、家族の中で働いている人の扶養に入ることができます。
 
例えば、会社員として働いている夫の扶養に妻と子どもが入るとすると、社会保険の扶養に入った人は夫の健康保険に付属する形となり、被扶養者用の健康保険証が交付されます。つまり、妻と子どもは自分で健康保険料を支払うことなく健康保険サービスが受けられるということです。
 
ちなみに「社会保険」とひと言でいわれますが、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の総称です。本記事では「健康保険料」の話をしていきます。
 

夫の社会保険料は扶養で増減しない

妻と子どもが健康保険サービスを受けるのであれば、その分、社会保険料のうちの健康保険料をプラス2人分払わなければならないと思うかもしれません。
 
しかし、実は扶養に何人入れようと健康保険料は増えません。夫本人分の金額のまま変わらないのです。妻と子どもは健康保険料の負担なしで健康保険を使えるということですね。
 

妻と子どもの分まで天引きされたら手取りは●万円減

それでは参考までに、妻と子どもの分の健康保険料も徴収されたとすると、天引きがいくら増えるのか図表1の東京都の社会保険料額表を使って計算してみましょう。介護保険料の負担はないものとします。
 
【図表1】


全国健康保険協会 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
 
【夫と同額の場合】
夫と同額の健康保険料が人数分引かれた場合は、夫の標準報酬月額が30万円とすると1人当たり15000円です。妻と子どもの分で3万円徴収されることになるので手取りは3万円減ります。
 
【子どもは半額の場合】
子どもについては夫の半額としましょう。すると、妻1万5000円、子ども7500円で合計2万2500円となります。
 
【最低額の場合】
夫と同額を天引きされるのは負担が大きいと考えられるので、扶養の人については標準報酬月額の1等級の金額のパターンがあるとした場合、1人当たり2900円で合計5800円、子どもは半額なら4350円です。
 
このくらいの金額であれば天引きが増えたとしても現実的に考えられるかもしれませんね。
 

まとめ

社会保険料は扶養人数で変わりません。何人扶養に入れても社会保険料は被保険者1人分です。しかし実は、国民健康保険には「扶養」という概念はありません。夫、妻、子どもの3人分の健康保険料を支払わなければなりません。社会保険の扶養は会社員の特権なのです。
 
今後、両者の公平性の面から、社会保険についても扶養人数分の社会保険料を負担する時代が来る可能性はゼロではないといえるでしょう。
 

出典

全国健康保険協会 被扶養者とは?
全国健康保険協会 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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