更新日: 2023.11.23 ふるさと納税
共働きで世帯年収700万円の場合、ふるさと納税が「全額控除」になる額の目安は?
しかし、この控除には上限があります。特に共働きの世帯では、その計算が複雑になることもあります。そこで今回は、共働きで世帯年収が700万円の場合、ふるさと納税が全額控除される額の目安について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
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ふるさと納税の基本
ふるさと納税とは、簡単に説明すると、税金を前払いすることによってその額に応じた返礼品を受け取れる制度です。
任意の自治体に寄附をすることで、その寄附金額に応じた返礼品(上限は寄附金額の3割)を受け取ることができ、さらには全ての自治体に行った寄附金額の総額から2000円を引いた金額が、所得税や住民税から差し引かれます。
例えば、2万円をふるさと納税した場合で考えましょう。この場合は2000円を差し引いた1万8000円の控除を受けられ、さらには最大で6000円相当の返礼品を受け取ることになります。この場合、2万円の寄附で最大2万4000円の利益を得たことになり、最大で4000円もお得になります。
なお、税金から差し引かれる寄附金額には、所得に応じた上限額が設定されています。そのため、「ふるさと納税を多く利用すれば所得税や住民税を0円にできる」というわけではありません。
共働き世帯で世帯年収700万円の場合、全額控除になる目安は?
ふるさと納税を最大限お得に行うために必須ともいえるのが「上限額ギリギリまで行うこと」です。
例えば、本来は控除される上限額が2万円分であるところ、3万円分のふるさと納税を行ったとしましょう。この場合、上限を超えた1万円に関しては、返礼品を受け取ることができます。しかし、税金から差し引かれることはなく、単なる寄附になってしまうのです。
総務省によれば、共働きで世帯年収700万円の世帯の場合、夫婦のみの世帯であれば合計7万円が上限額の目安になります。例えば、夫婦ともに会社員であり、夫の年収が400万円、妻が300万円とすると、控除額7万円の内訳は夫が4万2000円、妻が2万8000円となります。
また、ふるさと納税は課税対象となる所得が何円あるかによって上限額が決まります。そのため、子どもがいる場合は上限額が変わることもあります。
例えば、「会社員で年収600万円の夫と年収100万円で扶養内のパートで働く妻」という共働き夫婦に、高校生の子どもが1人という世帯の場合、ふるさと納税は夫のみが行えます。そして、上限の目安となる額は6万円となります。
なお、iDeCoなど税制優遇の受けられる制度を利用しているとその分課税対象となる所得が小さくなり、ふるさと納税の上限額も減ってしまう可能性があります。このように、ふるさと納税が何円までなら全額控除されるのかについては、個別具体的な事情によっても異なります。
もし、個別具体的な上限額の目安が知りたいという場合は、ふるさと納税のポータルサイトのシミュレーターを利用してみてください。中には家族構成や収入、控除の有無など詳細な条件を入力して、より具体的な上限額の目安を算出することができるサイトもあります。
ふるさと納税の注意点
ふるさと納税を行ったあとで、絶対に忘れてはいけないのが、確定申告またはワンストップ特例を利用することです。そうしない場合、税金から寄附金が差し引かれなくなります。
ちなみに、会社員の場合はワンストップ特例を利用することが一般的です。ワンストップ特例を利用すれば、確定申告することなく、ふるさと納税の効果を適用させることができるからです。
ただし、ワンストップ特例を利用するには、ふるさと納税を行う際に「ワンストップ特例を利用する」という欄にチェックを入れるなど、事前の手続きが必要です。また、ワンストップ特例を利用するには「ふるさと納税先の自治体数が5団体以内であること」などの制限もあります。
詳細については、ふるさと納税を実施する予定である自治体へ、ふるさと納税の実施前に相談してください。
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まとめ
共働きで世帯年収700万円の世帯の場合、6万円から7万円程度が、ふるさと納税によって全額控除される上限額の目安となります。
ふるさと納税は上限額を超えると、寄附扱いとなって控除が受けられず、損をしたように感じてしまいます。よりお得にふるさと納税をしたいのであれば、しっかりと上限額について試算し、その範囲内で行うようにしましょう。
出典
総務省 全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安(2000円を除く)
執筆者:柘植輝
行政書士