更新日: 2023.12.06 その他税金
【累進課税】年収1億円の人は、どれくらい所得税を納めているの?
また、累進課税があることで、年収1億円の人はどれくらいの所得税を納めているのでしょうか。累進課税の役割などとともに解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
累進課税とは何か?
所得税は、個人の所得に対して課税される税金です。国税庁によると、1年間の収入から所得控除額を差し引いた所得課税額に税率を掛けた金額から、さらに控除額を差し引いて算出するそうです。このように、課税所得額に応じて税率が高くなる仕組みを累進課税と呼びます。
・所得税の税率
国税庁によると、所得税率は、課税所得額が低いほうから、5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%となっています。最高税率は45%(課税所得額4000万円以上)のため、どれだけ課税所得額が多くても、この税率を超えることはありません。
・最高税率の推移
所得税の最高税率が45%と聞くと高く感じますが、財務省によると、昭和59(1984)年は70%でした。
その他の先進各国の最高税率も、アメリカの37%以外は、イギリス、フランス、ドイツの3カ国は日本と同じ45%です。
累進課税が必要な理由
税金は、応能負担(応益負担)を原則として徴収されています。応能負担とは、税金は個人の能力に応じて負担するという考え方です。累進課税は、その考え方を具現化するためにあります。「所得に応じて税金を負担する公平な社会」を維持するうえで、累進課税が必要であることが理解できます。
年収1億円の人はどれくらいの所得税を納めているのか
公平な社会のためには、所得税に累進課税が必要であることは理解できました。では、年収1億円の人の所得税はどうなっているのでしょうか。
・年収1億円の人の所得税
経費や控除がほぼないものと仮定したうえで、年収1億円の人の所得税を算出すると、約4500万円になります。つまり、年収が1億円だったとしても、手取りは5500万円程度にまで減ってしまうのです。
そのため、節税対策として会社を作ったり、事業を行ったりしている高額所得者は少なくありません。
今後の所得税率について考えてみよう
所得税には、所得が高くなると税率も高くなる累進課税という仕組みがあります。そのため、年収1億円の人が所得税を納めると、手取りは5500万円程度にまで減ってしまいます。
4割以上も減ってしまうというのは少し気の毒な気もしますが、社会の公平性を保つためには、収入が多い人の税率が高くなる累進課税は一定の成果を出しているといえるかもしれません。所得税率の知識をもって、自分自身の目指す収入にリアリティーをもたせてみてはいかがでしょうか。
出典
財務省 主要国における所得税率の推移の比較
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 所得税のしくみ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー