「年収450万円」で、2023年の医療費は「15万円」でした。医療費控除でいくら節税できるでしょうか? 10万円を超えていれば対象になるんですよね?

配信日: 2024.01.02 更新日: 2024.01.05

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「年収450万円」で、2023年の医療費は「15万円」でした。医療費控除でいくら節税できるでしょうか? 10万円を超えていれば対象になるんですよね?
1年間にかかった医療費を申告すれば医療費控除によって節税になるという情報を見聞きして、自分は医療費控除の対象なのか、どの程度の節税になるのかが気になったことはないでしょうか。
 
本記事では、医療費控除の概要と確定申告によって戻ってくる還付金について解説します。自身の2023年の医療費は申告基準を超えているのか、どれくらいの還付金をもらえるのか、参考にしてください。

医療費控除とは

医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日)に一定額以上の医療費負担があった場合に、かかった医療費のうち一部の額を所得金額から差し引く制度です。所得金額が少なくなるため、所得に応じてかかる税金も少なくなり、所得税および復興特別所得税が還付されます。
 
では、どれくらいの医療費がかかると医療費控除の対象になるのでしょうか。「10万円以上」という基準を聞いたことがある人もいるかもしれません。正確には次の計算式で医療費控除額を算出します。
 
医療費控除額=1年間に支払った医療費の総額-生命保険・健康保険などで補てんされる金額-10万円
(所得金額が200万円未満の場合は、10万円ではなく所得金額の5%を引きます。)
 
例えば、所得金額が200万円以上で、保険金などの支給がないケースでは、1年間に使った医療費が10万円を超えていたら控除の対象になります。
 

医療費控除の対象となる費目

医療費とは、どのような費目を指すのでしょうか。いわゆる病院に行って支払う診療や治療にかかった費用のほか、身近なものでは以下のような費目が対象になります。

●病院に行くための交通費
●薬局での医薬品購入
●入院時の部屋代や食事代
●医療用器具の購入費用やレンタル費用
●あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる治療のための施術

一方で、人間ドックや美容整形、予防接種やサプリメントなどは医療費控除の対象になりません。先に挙げた例も条件によっては対象とならないものもありますので、詳細は国税庁のホームページなどで確認しましょう。
 
さらに、医療費には自分の分だけでなく、生計を一にする家族・親族の分も含めることができ、医療費の総額として算出可能です。自分の医療費のみで10万円を超えなくても、家族の病院代・交通費・薬の購入まで含めると想像以上にお金がかかっているかもしれません。1年が終わったタイミングで概算の金額を算出してみるとよいでしょう。
 

年収450万円、医療費15万円かかったときの還付金は?

還付金は医療費控除額に所得税の税率をかけて計算します。例えば年収450万円、所得金額が195万円を超え330万円以下の人は所得税の税率が10%です。医療費に15万円かかり、保険金による補てんもなかったとすると、医療費控除額である5万円の10%にあたる5000円が還付されます。
 
所得が増えるほど税率も高くなるため、所得が多い人のほうが、医療費控除額に対する還付金が多くなります。先ほどの例と同じ医療費控除額5万円の場合でも、税率が20%の人であれば、5万円×20%の計算で還付金は1万円になります。
 
自分の医療費控除額と所得税率を確認して、還付金がどれくらいになるか試算してみましょう。所得金額に対する所得税の税率は国税庁のホームページから確認することができます。
 

オンライン申告も可能! 医療費控除を申告してみよう

医療費控除の申告は難しいというイメージがあるかもしれません。しかし、最近では国税庁提供のサイト「確定申告書等作成コーナー」を使用した申告書作成や、税務署へのオンライン申告(e-Tax)ができるようになり、手続きの煩雑さが軽減されてきています。一度、還付金を試算してみて、まとまった金額であれば申告をしてみましょう。
 

出典

国税庁 医療費を支払ったとき
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:入船みみ
FP2級

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