更新日: 2024.01.12 その他税金
娘の「住民税の通知書」をたまたま見たら、かなり高額でびっくり…!隠れて副業しているのでしょうか?
今回は、会社員が行う副業の是非や、住民税について考えてみました。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
住民税の通知書が自宅に届いている場合は副業している可能性が高い
会社員であれば、住民税は特別徴収という形で、毎月の給与から天引きされます。そのため住民税の通知書は、居住する市区町村から勤務先に送付され、自宅に通知書や納付書が届くといったことは基本的にありません。
勤務先が住民税の特別徴収に関する手続きを行っていなかった場合や、市区町村での手続きのミスも考えられますが、現状、そういったことはほとんどありません。
会社員で自宅に住民税の通知書が届いている場合は、可能性が高いのは副業をしているケースです。
給与所得者は、副業による年間の所得が20万円を超えると、確定申告を行う必要がありますが、勤務先に対して副業を行っている事実を隠したいとか、副業で得ている収入を会社に知られたくないという場合には、給与所得以外の所得についての住民税を自分で納める普通徴収を、確定申告時に選択していることがあるからです。
勤務先で認められる範囲での副業は悪いことではない
勤務先の就業規則にもよりますが、副業自体は悪いことではありません。近年では大手企業を中心に副業の解禁が広がっているように、一般的にも副業が推進されています。
政府も副業を促進しており、ガイドラインを策定しています。ガイドラインの中では、副業を禁止、または許可制としている企業に対して、業務に支障がなければ「労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる」としています。
親の世代からすれば、会社員の副業については禁止されているイメージがあるかもしれませんが、勤務先で認められている範囲で行う副業は問題ありません。
住民税が高額だった場合はどうすればいい?
また、会社員ならば住民税は毎月の給与から天引きされているところ、それとは別に自宅に届いた通知書で住民税が50万円とか、60万円などの高額なケースでも、そのことについて問い詰めるようなことはすべきでないでしょう。きちんと納税していれば、問題はないといえるからです。
ただし、住民税を滞納すると延滞税が発生するほかに、滞納が続くと給与や銀行口座を差し押さえられる可能性があるため、心配であれば、通知書が届いていることを伝えておくといいでしょう。
まとめ
会社員の子どもが副業を行っている場合に、住民税の通知書が自宅に届くことがあります。副業の収入によっては住民税が高額になりますので、通知書を見て驚くかもしれませんが、副業を解禁する企業も増えてきており、勤務先の規則の範囲で行う副業は悪いことではありません。
住民税については、高額な場合は滞納などが心配になることもあるかと思いますので、まずは通知書が届いていることと、早めに確認することを伝えるようにしてください。
出典
厚生労働省 副業・兼業の促進に関するガイドライン 3 企業の対応 (1)(6ページ)、4 労働者の対応 (4)(18ページ)
執筆者:柘植輝
行政書士