住民税が毎月「1万4000円」引かれています。保険料は仕方ないですが、高すぎではないでしょうか? 節税方法などはあるのですか?
配信日: 2024.01.18 更新日: 2024.01.19
とはいえ、納税は国民の義務のため、支払わないわけにはいきません。納税を拒否できないのであれば、なるべく負担を軽減する方法を考える人も多いでしょう。
本記事では、住民税の節税が期待できる主な所得控除を紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住民税とは?
住民税(個人住民税)は、非課税所得額を上回る人が納める税金です。住民税には道府県民税と市町村民税があって、1月1日時点で住所がある都道府県と市区町村に納めます。なお、道府県民税と市町村民税を課税・徴収するのは市区町村です。
・住民税の課税額
住民税の課税額は、定額制の「均等割」と、所得によって金額が異なる「所得割」によって決定されます。均等割は、道府県民税が年額1500円、市町村民税が年額3500円です。所得割は、道府県民税の標準税率が4%、市町村民税が同6%で、これらの税率にそれぞれの課税所得額を掛けて算出します。
・納税方法
住民税の納税方法には、「特別徴収」と「普通徴収」があります。特別徴収が適用されるのは、給与取得者と公的年金受給者です。給与取得者は、6月から翌年の5月まで、毎月の給与から天引きされます。
また、65歳以上の公的年金受給者の場合は、年金からの天引きとなります。普通徴収が適用されるのは、個人事業主やフリーランスなどの人たちです。普通徴収の場合は、市区町村から送付される納税通知書に従って支払います。
・住民税の使いみち
住民税は、国に代わって都道府県や市区町村が担う、さまざまな住民サービス(教育、福祉、救急・消防、ごみ処理など)に使われています。
住民税の節税方法
住民税は、さまざまな所得控除を利用することで課税額を減額できます。本項目では、節税になる主な所得控除を紹介します。
・医療費控除
医療費控除は、その年の1月1日~12月31日までに支払った医療費が、一定額を超えた場合に受けられる所得控除です。自分や生計を同じくする配偶者、親族のために支払った医療費が対象になります。
控除できる金額は、「実際に支払った医療費の合計額」から「保険金などで補てんされる金額」と「10万円」を引いて算出します(200万円が上限)。なお、その年の総所得金額などが200万円未満の人の控除額は、総所得金額などの5%の金額です。また、医療費控除を受けるためには確定申告が必要になります。
・セルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、特定一般用医薬品等購入費を支払った場合に受けられる所得控除です。自分や生計を同じくする配偶者、親族のために支払った特定一般用医薬品等購入費が対象になります。
ただし、同税制を受けるためには、本人が一定の健康診断や予防接種などを行う必要があります。また、医療費控除との併用はできません。
控除できる金額は、その年に支払った特定一般用医薬品等購入費の合計額のうち、1万2000円を超える金額です(8万8000円が上限)。同税制を受けるためには確定申告が必要になります。
・生命保険料控除
生命保険料控除は、生命保険料や個人年金保険料などを支払った場合に受けられる所得控除です。控除できる金額は、1年間に支払った保険料によって異なります(12万円が上限)。生命保険料控除は、確定申告か年末調整で受けられます。
・小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済等掛金控除は、確定拠出年金(個人型と企業型)などに掛金を支払った場合に受けられる所得控除です。支払った掛金の全額が控除できます。小規模企業共済等掛金控除は、確定申告か年末調整で受けられます。
高いと感じるなら使える所得控除はすべて利用して節税を
住民税は、都道府県や市区町村の住民サービスに使われています。ただ、それでも毎月1万4000円は高すぎると感じる人はいるかもしれません。そういった場合は、使える所得控除がないか確認してみましょう。見落としていただけで、まだまだ使える所得控除があるかもしれません。
納税は国民の義務ですが、高すぎると感じるなら使える所得控除はすべて利用して節税に努めてみてはいかがでしょうか。また、寄附金税額控除(ふるさと納税)を利用することでさらなる減税につなげられます。
出典
総務省 個人住民税
東京都主税局 個人住民税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー