更新日: 2024.01.19 その他税金
彼氏の趣味が「銭湯巡り」です。都内の入湯税は一律だといわれましたが、やめさせたらどれくらい費用が浮きますか?
特に、入浴料や旅館の宿泊代金に含まれる「入湯税」は何に使われているのだろうと疑問に思うこともあるでしょう。今回は入湯税の概要や入湯税の負担が続くとかかる金額を算出します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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入湯税とは?
入湯税は入浴施設の利用にかかる地方税の一種です。入浴施設を持つ企業や経営者が顧客から入湯税を徴収し、市町村に納税します。
総務省「入湯税」によると、入湯税の使用用途は温泉施設の環境衛生管理や鉱泉源の保護管理、消防施設や消防活動に必要な設備の配置、観光施設の整備や振興にあてられているようです。入浴施設を健全に営むだけでなく、観光客を誘致する魅力的なまちづくりに入湯税は役立っているのです。
なお、入湯税の金額は1人当たり1日150円を標準としていますが、自治体によって多少異なります。
東京都の中でも中央区の公式ホームページによると、12歳以下の子どもに入湯税がかからなかったり、日帰り入浴料金が1200円以下の場合は入湯税がかからなかったりと例外もあるようです。お住まいの自治体のホームページから入湯税を確認してみましょう。
入湯税収入額が多い市町村は?
ここでは入湯税の収入が多い自治体を紹介します。一般社団法人日本温泉協会が調査する「入湯税収入額が多い市町村ベスト30(2021年度)」によると、下記10の自治体がランクインしています。
表1
自治体(県) | 主な温泉地 | 入湯税収入額 | |
---|---|---|---|
1 | 箱根(神奈川) | 箱根温泉郷 | 4億8310万円 |
2 | 別府(大分) | 別府温泉郷 | 2億5939万4000円 |
3 | 熱海(静岡) | 熱海 | 2億4343万8000円 |
4 | 伊東(静岡) | 伊東 | 2億1814万円 |
5 | 日光(栃木) | 鬼怒川、川治、湯西川、 奥鬼怒 |
1億9888万1000円 |
6 | 札幌(北海道) | 定山渓 | 1億9432万円 |
7 | 神戸(兵庫) | 有馬 | 1億8686万4000円 |
8 | 函館(北海道) | 湯川 | 1億3653万6000円 |
9 | 草津(群馬) | 草津 | 1億3590万9000円 |
10 | 那須(栃木) | 那須温泉郷 | 1億3574万1000円 |
※一般社団法人日本温泉協会「入湯税収入額が多い市町村ベスト30(2021年度)」を元に筆者が作成
1位の箱根や2位の別府など、いずれも有名な温泉地がある自治体です。多くの観光客が訪れる名所は相対的に入湯税の収入も多い傾向があります。
入湯税が気になる! 節約を考えてみた
ここからは1日150円の入湯税がかかるとして、毎日銭湯に行った場合と週に1回の場合で費用を比較します。
毎日150円の入湯税を負担する場合
1ヶ月を30日と仮定し、毎日銭湯に通う場合、月々4500円の支払いが発生します。
1週間に1回150円の入湯税を負担する場合
1ヶ月を5週と仮定し、月に5回銭湯に通う場合、月々750円の支払いが発生します。
なお、銭湯に入るときは入湯税だけでなく入浴料や、場合によってはタオルをレンタルすることもあるため、費用がさらにかかります。銭湯に入るには、今回紹介した金額より多くの出費が発生します。
東京都中央区のように1200円以下の入浴料に入湯税が含まれないなら費用負担を軽減できますが、条件問わず150円の入湯税がかかると負担は大きいでしょう。
銭湯巡りを楽しむメリット
入湯税が気になる銭湯巡りですが、下記のメリットもあります。
・心身ともにリフレッシュできる
・他のお客さんとコミュニケーションを取れる
・場所によっては小旅行を楽しめる
温泉に入ると血行が促進され肩こりや腰痛、体の疲労感がやわらぎます。また、同じ銭湯に通うと常連客と顔なじみになり、コミュニケーションが生まれることもあるでしょう。
その場合、世間話ができたり自分では知らない情報を手に入れられたりとさまざまなメリットがあります。また、週末に隣の県まで足を伸ばし銭湯巡りを行うと小旅行を楽しめるでしょう。
銭湯巡りは頻度を気にしながら楽しもう
銭湯巡りは心身ともにリフレッシュ可能で、なおかつ非日常を味わえる楽しみです。しかし、入湯税や入浴料が発生するため、頻繁に通うとお財布事情が気になるでしょう。
家族や恋人との時間を大切にしつつ、仕事を頑張った日の帰りや休日など自分の時間を確保してリラックスタイムを楽しみましょう。
出典
総務省 入湯税
東京都中央区 特別区たばこ税・入湯税
一般社団法人日本温泉協会 入湯税収入額が多い市町村 ベスト30(2021年度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー