更新日: 2024.01.22 その他税金
芸能人やプロスポーツ選手は収入の半分が税金という話を聞きますが本当でしょうか?
そこで本記事では、芸能人やプロスポーツ選手などの高所得者がなぜ収入の半分が税金とされるのかについて解説します。芸能人やプロスポーツ選手が負担する税金について確認し、高所得者の税金についての洞察を深めてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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収入の半分が税金と言われる理由
芸能人やプロスポーツ選手などの高所得者が「収入の半分が税金」と言われる主な理由は、所得税と住民税を合算して最大55%の税金がかかるからです。それに加えて、消費税や社会保険料、年金保険料などの支払いもあるため、55%もの税率は相当に大きな負担となります。
本項では、収入の半分が税金と言われる主要因である所得税と住民税について見ていきましょう。
所得税が累進課税制度で最大45%課税されるため
所得税は、所得額に応じて税率が適用され、最大で45%まで課税されます。図表1は、課税所得額に応じた税率と控除額です。
【図表1】
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000円~194万9000円 | 5% | 0円 |
195万円~329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万円~694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万円~899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万円~1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万円~3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円~ | 45% | 479万6000円 |
※国税庁「所得税の税率」を参考に筆者が作成
例えば、課税所得金額が8000万円の場合、所得税は「8000万円×45%-479万6000円=3120万4000円」となります。この場合、所得税が課税所得に占める割合は約39%です。
※上記は概算となりますので実際の税額とは異なる場合があります。
所得税に加え、住民税10%が課税されるため
課税所得には、最大45%の所得税に加えて、住民税がかかります。住民税の所得割の税率は一律10%(都道府県民税4%、市町村民税6%)です。したがって、課税所得金額が8000万円の場合、住民税の所得割額は「8000万円×10%=800万円」となります。
所得税と住民税の税率を合算すると、高所得者には最大で55%もの税金が課されることになります。
※上記は概算となりますので実際の税額とは異なる場合があります。
所得税・住民税のシミュレーション
プロスポーツ選手や芸能人などの高所得者は、所得税や住民税の負担が著しく増加します。課税所得が1億円の場合、所得税や住民税がどれくらいかかるのかを知っておくことで、彼らがいかに多くの税金を納めているかが理解できます。
本項では、課税所得が1億円の場合の所得税と住民税のシミュレーションについて詳しく見ていきましょう。
年収1億円の場合
年収(課税所得)が1億円の場合にかかる所得税と住民税は、以下のとおりです。
●所得税:1億円×所得税率45%-控除額479万6000円=4020万4000円
●住民税:1億円×10%=1000万円(所得割額)
課税所得1億円に対して、所得税4020万4000円と住民税(所得割額91000万円が合計5020万4000円課せられるため、手取り額は4979万6000円となります。所得税と住民税だけで、所得の半分以上取られていることが分かります。
また、プロスポーツ選手や芸能人の多くは個人事業主となりますが、所得税や住民税に加えて、国民健康保険料や国民年金保険料、消費税、個人事業税などの支払いも必要です。
※ここでは他の控除や社会保険料などは考慮していません。
※上記は概算となるため、実際の金額とは異なる場合があります。
芸能人やプロスポーツ選手は、所得の約55%が所得税と住民税として差し引かれる
芸能人やプロスポーツ選手などの高所得者は、所得税が45%、住民税が10%の合計55%の税金がかかるため、「収入の半分が税金」と言われることがあります。
また、所得税と住民税に加えて、消費税、社会保険料、年金保険料なども支払う必要があります。このように、高所得者の税負担は驚くほど高いことを理解しておきましょう。
出典
国税庁 所得税の税率
総務省 個人住民税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー