更新日: 2024.02.02 その他税金

「住民税非課税世帯」から外れることに抵抗があります。稼げるなら外れたほうがいいでしょうか…?

「住民税非課税世帯」から外れることに抵抗があります。稼げるなら外れたほうがいいでしょうか…?
給付金の支給対象となっているなど、住民税非課税世帯は最近何かと話題となることが多いです。給付金も多く、中には住民税非課税世帯を外れることに不安を感じている方もいるようです。
 
そこで、住民税非課税世帯を外れることについて考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

稼ぐことができるのであれば、基本は住民税非課税世帯から外れた方がいい

基本的には、無理なく住民税非課税世帯から外れることができるのであれば、お金を稼いでそこから外れてしまった方がいいでしょう。
 
住民税非課税世帯となるラインは、地域によっても若干異なりますが、板橋区「住民税 よくある質問」によると、おおむね世帯の全員が住民税非課税(年収100万円以下)である必要があるようです(給与所得のみの場合)。月々の収入に換算すると、収入は8万3000円程度です。
 
確かに住民税非課税世帯においては、所得税や住民税が非課税です。利用できるものには、国民年金保険料や国民健康保険料の減免や、医療費の軽減などの措置があります。
 
しかし、このような世帯はそもそもの収入自体が少なく、生活は楽ではないでしょう。自分一人ならともかく、子どもがいて学費や生活費がかかるような状態であればなおさらです。住民税非課税世帯から思い切って外れてしまい、しっかり稼いだ方が生活は安定するようになるでしょう。
 
最近では時折、住民税非課税世帯向けの給付金が、3万円から10万円程度給付されています。しかしそれらは不定期であり、生活を安定させられるものとは言い難いです。給付金もいつまで続くか分からないことを考えると、可能であれば住民税非課税世帯からは外れることをおすすめします。
 

住民税非課税世帯であるかの基準は厳格に定められている

実のところ、住民税非課税世帯となるラインは厳格に決まっています。東京都板橋区の例では先述の通り、給与収入100万円以下と決められています。これを1円でも超えていると住民税非課税世帯ではなくなり、住民税が発生します。それに加え、臨時の給付金のような住民税非課税世帯特有の優遇措置が受けられないようです。
 
直近では、東京都杉並区にて、令和5年12月1日時点で住民税非課税である世帯に対して7万円の給付がされる予定だと発表されました。しかしこちらについても、1円でも住民税非課税世帯のラインを超えていた場合は給付が受けられません。
 
もちろん、この基準は自治体にもよりますし、その他支援制度においては、住民税非課税世帯でなくてもそれに準ずる世帯であれば、給付や支援の対象となることもあるようです。
 
とはいえ、基本的には住民税非課税世帯の基準は1円単位で厳格に運用されていることを知っておくといいでしょう。
 

住民税非課税かどうかの判定は、前年の所得を基に決定

注意点として、今月に住民税非課税世帯から外れるほど稼いだとしても、翌月からすぐに住民税非課税世帯となるわけではありません。当年度において住民税非課税世帯であるかどうかの判断は、前年1月から12月までの収入で判断されるからです。
 
そのため、今年の収入が100万円を超え、住民税非課税世帯から外れるほど稼いでも、その年は住民税非課税世帯のままとなり、実際に各種給付や支援が受けられなくなるのは翌年度からです。当年中の支援などが変わることは、基本的にありません。
 

まとめ

住民税非課税世帯を外れると、近年よく行われている3万円から10万円程度の臨時給付がなされなくなったり、各種支援が打ち切られたりして、損をするように感じられます。しかしそもそもの収入が少なく、実際には働いて稼げるのであれば、そうした方が、生活が安定することも少なくありません。
 
もし、住民税非課税世帯を外れるべきか悩んでいるのであれば、一度外れる前後でどうなるか、シミュレーションすることをおすすめします。
 

出典

杉並区 【7万円給付金】令和5年度住民税非課税世帯に対する物価高騰対策支援給付金 (7万円)の支給
板橋区 パートやアルバイトの場合、いくらまでなら非課税になりますか。また扶養に入るにはいくらまでなら大丈夫でしょうか。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集