更新日: 2024.02.06 確定申告
年収400万円の友人が「確定申告で2万円ゲットした」と言っていました。確定申告ってするだけで「お得」になるんですか?
本記事では、今さら人に聞けない確定申告の仕組みをわかりやすく解説します。
執筆者:佐々木咲(ささき さき)
2級FP技能士
確定申告とは
確定申告とは所得税に関する手続きのことで、毎年1月1日から12月31日までの1年間で得た所得金額をもとに所得税を計算して確定させます。確定申告で計算した所得税が源泉所得税額よりも少ない場合には、その差額の還付を受けられます。
「確定申告で2万円ゲットした」というのは、この還付金が2万円だったという意味でしょう。
会社員には年末調整がある
確定申告は所得税を確定させる手続きのはずなのに、確定申告をしたことがない、もしくは確定申告について何も知らない人がいるのはなぜでしょうか。それは会社員には年末調整があるからです。
年末調整も確定申告と同様に毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得税を精算する手続きです。毎年、年末が近くなったら会社から年末調整書類の提出を求められ、12月の給与がより少し多くなっているという人も多いのではないでしょうか。増額分、それが還付金です。日本では会社員であれば自分で確定申告をしなくても、会社が代わりに年末調整を行ってくれます。
会社員でも確定申告で還付を受けられるケース
会社員には年末調整があるので基本的に確定申告は不要です。しかし、以下の控除は確定申告でしか受けられないので注意しなければなりません。
・医療費控除
・住宅ローン控除(初めて受ける年分)
・寄付金控除
・雑損控除
その他、年末調整に出し忘れた生命保険料控除証明書がある場合、扶養の記載を誤っていた場合など、年末調整の修正も確定申告で対応できます。
ただ確定申告をするだけではお得にならない
つまり、会社員は年末調整ですでに所得税を精算されているので、追加で何らかの控除がない場合には確定申告しても還付金は発生しません。なお、単に手間を増やしただけにはなりますが、年末調整から変更がなくても、確定申告をすること自体に問題はありません。
今回のケースでは、年収400万円で2万円の還付金とのことなので、所得税率5%とすると確定申告で40万円の所得控除が追加で行われたと考えられます。その年に住宅を購入していたのであれば、住宅ローン控除である可能性が高いでしょう。このほか、前年の中途で仕事を辞めている場合には年末調整が済んでいないので確定申告を行ったのかもしれません。
まとめ
追加で受けられる控除がないのであれば、年末調整後に確定申告しても所得税はプラスマイナスゼロなので還付金は受けられません。還付があった友人は確定申告で何らかの控除を受けたのでしょう。
ただ、還付があろうとなかろうと確定申告を行うこと自体は自由なので、「それでもよくわからない」という人は、とりあえず確定申告してみるのも手かもしれません。経験にもなりますし、そこで還付金が出ればラッキーではないでしょうか。
出典
国税庁 No.2020 確定申告
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士