今年こそは「ふるさと納税」を実施したい!損したくないけど「年の前半から」やっても大丈夫?
配信日: 2024.03.11
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
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ふるさと納税は年の前半から行う場合は要注意
ふるさと納税自体は1年を通じていつでも行うことができます。そしていつ行っても、寄附金額から自己負担額2000円を除いた部分が所得控除される、という点に変わりはありません。
ただし、1年の前半に行う場合は、注意することがあります。それは「その年の収入がその先どうなるか分からない」という点です。ふるさと納税は、何円でも行っていいのです。返礼品の受け取りには上限数もありません。しかし、そのうち適用される所得控除(寄附金控除)については、所得に応じた上限額が設定されています。
ふるさと納税の最大のメリットは、所得控除にあります。年の前半に多額のふるさと納税をしてしまうと、退職や休職などによって想定より収入が減ってしまった場合は、所得控除される金額が小さくなり損をする、ということが起こり得るのです。
例として、総務省「全額(※)控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安(※)2,000円を除く」を参考に、毎月35万円の収入がある人が「今年は年収400万円だろう」と想定して、4万2000円のふるさと納税を年の前半に実施したと考えてみましょう。
途中で休職があり、1月1日から12月31日までの年間収入が300万円になってしまったとすると、ふるさと納税の上限額は2万8000円に減ります。既にふるさと納税した4万2000円との差額である、1万4000円は所得控除されず、損をしてしまいます。
そのため、ふるさと納税を年の前半に行う際は、1年分まとめて行うことは避けるべきといえるでしょう。
どれくらいならふるさと納税しても損にならないの?
とはいえ「年の初めにふるさと納税をしてしまいたい」と思う方もいるでしょう。フルーツや野菜などは一定の季節にしか収穫できず、年初にしか注文できない返礼品もあります。そういった商品がある場合は、年初に行うメリットも十分にあります。
しかし、1年分全額を使うことは避けておくべきです。可能であれば、今まで得た収入や、今後得られることが確定している収入の範囲内にとどめておくべきです。
例えば、「月給25万円の方が3月現在でふるさと納税を行うつもりであり、3月分労働の給与が4月に入り、4月までの給与の合計は100万円である」というケースで考えてみましょう。
この場合、年収は300万円と見込まれ、3月現在ではその3分の1を稼いだということになります。同様に、ふるさと納税の上限額も3分の1と考えて、9000円から1万円程度に抑えておくという具合です。
おすすめの時期は?
ふるさと納税を行うのにおすすめの時期は、年の後半に差し掛かるころです。年の前半だと、1年の収入がどうなるか、まだ見通しが立てづらく、予定外のことも起こりやすいものです。かといって年の後半では、ふるさと納税の実施自体を忘れてしまったり、希望するふるさと納税の返礼品が品切れで選べなかったりすることもあり得ます。
そのため、年の後半にさしかかる10月前後の時期に、一度まとまった額(上限の8割くらいを目安)で行っておき、年の収入が完全に確定する11月や12月に、残った部分を調整する形で行うのがおすすめです。
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まとめ
「今年こそは」とふるさと納税を意気込んでいたとしても、焦りは禁物です。年のはじめに収入を見越して上限額ぎりぎりまで行うと、後に上限を超えてしまい、損をする可能性があります。ふるさと納税を実施するのであれば、基本的に、年の後半に差し掛かるころがおすすめです。
ふるさと納税を実施する際は、収入に対する上限額をよく調べ、よりお得に実施することをおすすめします。
出典
総務省 全額(※)控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安 (※) 2,000円を除く
執筆者:柘植輝
行政書士