更新日: 2024.03.22 その他税金

タンス預金は税務署にバレると「追徴課税」が発生する? 注意点や誤解されがちなポイントを解説

執筆者 : 小林裕

タンス預金は税務署にバレると「追徴課税」が発生する? 注意点や誤解されがちなポイントを解説
タンス預金は良くない、税務署にバレると税金を払わなければいけないという意見を目にすることが多いですが、なぜそのようにいわれているのでしょうか。
 
本記事ではタンス預金の危険性について解説します。ぜひ参考にしてください。
小林裕

執筆者:小林裕(こばやし ゆう)

FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

タンス預金自体は問題ない

前提として知っておくべきは、タンス預金の行為そのものには問題はなく、個人の自由で行えるものだということです。誤解されやすいポイントですが、タンス預金によって相続税逃れや所得隠しにつながることこそが問題なのです。実際に税金逃れにつながった場合には、意図して行ったかどうかに関わらず、追徴課税が発生する可能性があります。
 
また、防犯面でも危険性が高いため、その点も次項にて解説します。
 

高額なタンス預金は危険

高額な現金を自宅で保管することは危険です。代表的なリスクの一例を紹介します。
 

盗難リスク

自宅に現金を保管していると、空き巣や強盗により盗まれる危険性があります。また、盗難だけでなく、犯人に遭遇して襲われる危険性もあるでしょう。
 
盗難防止のために金庫を準備するという発想もありますが、「大金が置いてある」という事実自体がリスクを呼び込みます。家族や親族、来客などが周りに話してしまう危険性もあります。
 

災害リスク

現金での保管であるため、火災や地震、洪水といった災害で消失する危険性は常に付きまといます。火災保険や地震保険でも現金は補償されません。現金が燃えたり、洪水によって流されたりしてしまえば、手元から現金がなくなってしまいます。
 

相続税を申告した時などが税務調査のタイミング

税務調査は、贈与税や所得税、法人税といったさまざまな税金の申告に対して行われています。相続税は比較的高額であるため、申告漏れがあるとその誤差も大きくなりやすいことから、税務調査が入る可能性が比較的高いといわれています。
 
また、相続は何度も経験するものではないため、申告慣れしていない人も多く、間違いが起こりやすいです。
 
令和4年度を参考にすると、行われた相続税の実地調査件数8196件に対し、7036件が申告漏れ等を指摘されており、その割合は85.8%となっています。
 
一度税務調査が入れば、タンス預金の存在も明らかになり、追徴課税を払う必要が生じる可能性は高いです。
 

タンス預金より銀行預金のほうがリスクは低い

タンス預金は盗難や災害によるリスクが大きく、おすすめできません。銀行預金であれば、資産の安全性を高めることができます。また、タンス預金は相続発生時などにトラブルの元になりやすいです。故人の近親者などが無断で持ち去る可能性も存在します。
 
また、税務調査が入った際に、相続税逃れや所得隠しを疑われ、追徴課税を受ける可能性があります。
 
タンス預金は極力行わず、金融機関に預け入れ、適切な対応を取っておきましょう。
 

出典

国税庁 令和4事務年度における相続税の調査等の状況
 
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

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