更地の「固定資産税」が一番高いと聞きますが、100坪だといくらになるのでしょうか?
配信日: 2024.04.16
今回は、固定資産税の求め方や100坪の更地の固定資産税額、住宅用地特例を使ったケースとの違いなどについて、総務省の資料を基にご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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固定資産税を求める方法
固定資産税は、地方税制度の一つで土地や建物などに対してかかります。固定資産税の税額は、まず固定資産としての土地の評価を基に課税標準額が決められ、課税標準額に税率1.4%をかけた金額です。
更地の評価額は、土地の価格の基準となる「地価公示価格」の約7割を目安として決められます。例えば、地価公示価格が1坪10万円だと、評価額は1坪7万円が目安です。
また、課税標準額は評価額が急に増減した場合や特例措置などを考慮したうえで、1月1日に決定されます。
100坪の更地の固定資産税はいくら?
今回の条件は以下の通りです。
・地価公示価格は1坪10万円とする
・評価額は地価公示価格のちょうど7割とする
・今回は評価額を課税標準額とする
1坪10万円なので、100坪の地価公示価格は10万円×100坪で1000万円です。評価額は地価公示価格の7割なので、700万円の計算になります。
評価額がそのまま課税標準額となるので、固定資産税は700万円×1.4%の9万8000円です。
100坪の土地に住宅が建っていた場合と税金額はいくら違う?
土地に住宅があるかないかでは、固定資産税の計算方法が異なります。更地には適用される特例がほとんどありませんが、住宅が建っていると固定資産税の課税標準額が減額されるためです。
住宅が建っている土地の減額措置は、「住宅用地特例」と呼ばれます。課税標準額の減額される割合は、住宅の規模によって異なるため計算するときに注意が必要です。
住宅用の土地が200平方メートル以内の大きさであれば、小規模住宅用地として6分の1に減額されます。200平方メートルを超えた場合は、200平方メートルを差し引いた部分を一般住宅用地として、課税標準額が3分の1に減額されます。
例えば、100坪を平方メートルに換算すると約330平方メートルです。住宅用地特例に当てはめると、200平方メートルは小規模住宅用地に、130平方メートルは一般住宅用地として取り扱います。
これらを基に、先述した条件として計算すると、小規模住宅用地と一般住宅用地部分の税額はそれぞれ表1の通りです。なお、今回も評価額と課税標準額は同じとします。
表1
小規模住宅用地部分 (約200平方メートル) |
一般住宅用地部分 (約130平方メートル) |
|
---|---|---|
坪数 | 約60.5坪 | 約39.5坪 |
課税標準額 | 423万5000円 | 276万5000円 |
特例を用いない場合の税額 | 5万9290円 | 3万8710円 |
課税標準額の減額割合 | 6分の1 | 3分の1 |
実際の税額見込み | 9882円 | 1万2903円 |
※筆者作成
各税額を合わせると、固定資産税は2万2785円です。更地だった場合と比べると7万5215円の差があります。評価額の増減具合などによって実際の価格は変動する可能性はありますが、理論上は7万円以上の差が出ることになります。
これが、「更地は一番固定資産税が高い」といわれる原因ともいえるでしょう。
1坪10万円で100坪の更地だと固定資産税は9万8000円
更地の状態で1坪10万円の地価公示価格だとすると、固定資産税は9万8000円です。更地の固定資産税は住宅用地特例が適用されません。住宅が建っている土地と比べると、7万円以上の差が出る可能性もあることが分かりました。
ちなみに固定資産税の納付者はその年の1月1日時点でその土地および建物を所有している人です。また固定資産税の納付の際には、都市計画税もあわせて納付することになるため、実際の納税額は上で計算した額よりも多くなります。
固定資産税を安くしたいなら、更地にするのではなく建物を建築するなど、住宅用地としての活用方法を考えておきましょう。
出典
総務省 地方税制度 固定資産税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー