更新日: 2024.04.19 その他税金
知人の父がタンス預金「500万円」を達成したそうですが、「税金の申告」はしていないそうです。これってアリですか?
本記事では、無申告のタンス預金がバレる理由や、バレた場合のペナルティーとともに解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
タンス預金「500万円」を申告しなくてもよいケースとは
タンス預金を申告しなくてもよいのは、1年間の所得が一定金額以下だった場合です。例えば、事業で得た所得が48万円以下であれば、無申告でも構いません。本来なら、事業所得には所得税がかかります。
ただ、所得の合計額が2400万円以下の場合の基礎控除額は、48万円です。そのため、事業による所得が当控除額以下であれば、申告の必要はありません。なお、給与所得者が副業で得た所得が20万円以下の場合も、申告は不要です。
また、公的年金受給者の場合は、当年金による1年間の収入が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下であれば、無申告でもよいことになっています。つまり、タンス預金の500万円を、上記のいずれかの所得でコツコツと貯めたのであれば、無申告でも大丈夫でしょう。
問題は、1年間の所得が上記の金額を超えていたのに無申告だった場合です。「税務署にバレなければ大丈夫」と思いがちですが、バレる可能性は高いでしょう。その理由は、税務署が次のような方法で、常に監視の目を光らせているからです。次項目で、一例を挙げて解説します。
タンス預金の無申告がバレる理由
タンス預金は、親から子どもへの生前贈与の際に動きがちのため、税務署は贈与した人と贈与された人の納税情報を念入りに調べます。その申告情報と贈与した金額が一致しない場合には、タンス預金の無申告を疑うことになります。
もちろん、この時点では疑いの域を出ません。そこで、税務署はタンス預金が無申告であることを確かめるために、税務調査を行います。税務調査では、まず申告内容の正誤を、申告書と帳簿などを照合して確認します。
この作業で誤りが認められた場合に行うのが、任意調査です。任意調査では、調査当日に税務署の調査官が対象者の自宅に赴いて、タンス預金所有者の経歴、職業、蓄財方法などの聞き取りとともに、預金通帳や金庫などを調べます。
その結果、タンス預金の無申告が判明した場合には、税務署からペナルティーが科されます。では、タンス預金が無申告だった場合には、どのようなペナルティーが科されるのでしょうか。
タンス預金が無申告だった場合のペナルティー
タンス預金が無申告だったことが判明した場合には、延滞税、無申告加算税、過少申告加算税が科される可能性があります。それぞれの税率は以下の通りです。
・延滞税
延滞税の税率は、法律による納付期限である「法定納期限」の翌日から納付日までの日数に応じて、年2.4〜9.2%の間で決定されます。
・無申告加算税
無申告加算税の税率(令和5年以降分)は、納付税額に対して、50万円までの部分は15%の割合を乗じた金額です。また、50万円超300万円未満の部分は20%、300万円を超える部分については、30%の割合を乗じた金額になります。
・過少申告加算税
過少申告加算税の税率は、新たに納付する税額の10%相当額です。ただし、新たに納付する税額が、当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超過している場合には、その超過分については15%になります。
タンス預金の無申告は「バレる」可能性が高いことを知人に伝えよう
事業や公的年金などによる1年間の所得が一定金額以下である場合には、申告の必要はないことが分かりました。ただ、逆の見方をすれば、1年間の所得が一定金額を超えていれば、申告が必要ということになります。
知人の父親のタンス預金がどちらなのかは定かではありませんが、一定金額を超えていたのに無申告だった場合は、贈与などのタイミングでバレる可能性が高いでしょう。税務署にタンス預金の無申告がバレた場合には、延滞税や加算税といったペナルティーが科されます。このようなことも含めて、知人に忠告してみてはどうでしょうか。
出典
国税庁 税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)
国税庁 No.9205 延滞税について
国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき
国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー