「老眼」の治療は”医療費控除”の対象になる?治療費の目安はいくら?
配信日: 2024.05.17
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
医療費控除とはどんな制度?
医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に、自分や、生計を同じくする配偶者や親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される額で所得控除を受けことができるというものです。
具体的には、200万円を上限に実際に支払った医療費の合計額から保険金などで補てんされる金額を差し引いた額のうち、10万円を超える金額に相当する部分です(ただし、1年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%の金額になります)。
例えば、100万円の医療費を支払い、保険で15万円填補された場合、75万円が医療費控除の額となるという具合です。
治療費用の目安は? そもそも老眼は対象になるのか?
老眼への対応は、老眼鏡、遠近両用のメガネ・コンタクトレンズの装用などによる矯正が基本となります。ただ、もし治療するとなった場合の費用は、病状や治療方針によって大きく異なる部分もあるでしょう。
そのため、一概にいくらと示すことが難しいのが実情です。治療費用については初期段階で主治医と相談することが必要でしょう。
とはいえ、手術をしたり、治療頻度が多くなると、10万円を超える額どころか100万円を超え、200万円近い額の支出が生じて、医療費控除を考えるような金額になるでしょう。
例えば白内障手術のついでに老眼も治そうとしたような場合が該当します。
そこで気になるのが医療費控除の対象となるか、という点です。この点について、残念ですが一般的な老眼は医療費控除の対象とはなりません。
ただし、弱視、斜視、白内障、緑内障、難治性疾患の治療であり、結果的に一部老眼の治療にも影響したような場合は、結果として老眼の治療に医療費控除が適当されたのと同様の結果になる可能性もあります。
医療費をどうねん出する?
医療費控除の対象にならないとなると、老眼治療の負担も重く感じられるでしょう。そのため、老眼の治療費は貯金で対応していくのが無難といえます。治療内容によっては医療保険が適用となることもありますが、治療開始直前や開始後に医療保険に加入しても、その治療は保険の対象とはなりません。
その点を考えると、貯金で対応できない場合は、支出を削り医療費に充当するか、それとも働く時間を伸ばして収入を増やし、それを治療費に充てることになるでしょう。
いずれにせよ、老眼の治療を本格的に行っていきたいのであれば、早めに医療機関へ受診し、医療費を見積もり、費用をどうするか考えていくべきです。
また、その際は複数の医療機関を受診し、費用についての違いも確認しておくといいでしょう。治療費は治療内容や医療機関によって異なる可能性があるからです。
まとめ
老眼は原則、医療費控除の対象となりません。老眼の治療費の目安は、治療内容や医療機関によって異なる部分もあります。可能な限り複数の医療機関を受診し、納得した治療内容と費用で治療を始めることをおすすめします。
執筆者:柘植輝
行政書士