更新日: 2024.07.09 その他税金
パートで「年収100万円」で夫の扶養に入っています。私も「定額減税」の対象になりますか? 収入が増えたら、減額分を返す必要があるのでしょうか…?
そこで本記事では、定額減税の概要や対象者について解説すると共に、収入が一定金額を超えてしまった場合の取り扱いについて紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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扶養に入っている人も定額減税の対象
6月から始まった定額減税は、令和6年度の所得税と住民税について一定額を減額し、国民の負担を軽減する制度です。所得税が3万円、住民税が1万円の合計4万円が定額で減税されます。6月以降の給与や賞与について天引きされる所得税額から、定額減税の控除額が差し引かれ、控除しきれなかった金額については翌月以降に順次控除される仕組みです。
対象者は次の要件を満たす人です。
●令和6年度分の納税者である居住者
●合計所得金額が1805万円以下であること
納税者本人、同一生計の配偶者や扶養親族が定額減税を受けられます。この配偶者は「合計所得金額が48万円超、95万円以下」の場合は対象となりません。その場合は、配偶者自身が減税の対象となります。
合計所得金額が48万円以下の場合の目安収入は103万円です(給与所得の身の場合)。つまり、収入が103万円以下の配偶者が対象となります。扶養親族についても合計所得金額が48万円以下であることが要件の1つです。
また、扶養に入っているパート従業員やアルバイトの従業員も定額減税の対象です。扶養に入っている場合は、被扶養者が扶養親族分もまとめて減税を受けるようになっています。
例えば、事例のように配偶者の扶養に入っていてパートで100万円の収入がある場合は、同一生計の配偶者なので定額減税の対象です。配偶者の給与や賞与から控除されることになります。
年収が103万円を超えた場合はどうなるのか
年間の収入が103万円を超えてしまうと、同一生計上の配偶者には含まれません。扶養親族についても同様で、収入が103万円を超えてしまうと扶養親族として認められないことになります。そのため、この場合は配偶者や扶養親族としてではなく、自身で定額減税の措置を受けることになるのです。
そこで、いったん配偶者や被扶養者の給与や賞与から一緒に控除された定額減税分を返還し、年末調整などで定額減税の措置を受けることになります。いずれにしても定額減税の措置を受けることができますが、収入が増えてしまい年間の収入が103万円を超えてしまうと手続きが難しくなってしまうので、注意しましょう。
定額減税の今後についても注視しておきましょう
定額減税は6月から始まり、所得税や住民税が順次減額されていきます。年間4万円の減税ですが、手取りを増やすことができるので一般的な労働者にとっては大きな減税措置といえそうです。
もっとも、減税の受け方については注意が必要になっています。本事例のように年収が途中で103万円を超えてしまい、同一生計上の配偶者や扶養から外れなければいけない場合は自身で減税措置を受け直さなければいけないことを覚えておいてください。
定額減税は順次進められていく予定です。また、今後にさらなる定額減税措置が決定することも考えられます。定額減税については多くのメディアで報道されているので、今後の動向も注視しながら定額減税されたお金の使い道を考えてみてはどうでしょうか。
出典
国税庁 定額減税について
総務省 個人住民税の定額減税に係るQ&A集
国税庁 令和6年分所得税の定額減税の給与収入に係る源泉徴収税額からの控除について
国税庁 令和6年分所得税の定額減税Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー