毎月の「住民税・所得税」をあわせても2万円ほどです。4万円の「定額減税」は2回分受けられますか? 引ききれない分は「給付」されるのでしょうか?
配信日: 2024.07.13
本記事では、定額減税で引ききれなかった分はどうなるのか、定額減税は2回受けられるのかについて解説します。該当する人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:石上ユウキ(いしがみ ゆうき)
FP2級、AFP
定額減税で引ききれない分はどうなる?
2024年6月から行われている定額減税は、1人あたり所得税3万円、住民税1万円の合計4万円が税金から差し引かれる(控除される)仕組みです。所得税は毎月の給与から、住民税は年度の合計額から差し引きます。
所得税分の減税は、引ききれない分がある場合に最長2024年12月まで毎月繰り越されます。つまり、毎月引かれる所得税が減税額よりも少ない場合は、複数回減税を受けられるのです。ただし、減税を受けられるのは今年いっぱいです。年をまたいで減税されることはありません。また、次年度は現時点で減税の予定はありません。
では、もし12月に差し引かれたとしてもなおすべて減税しきれない場合や住民税の減税分をすべて引ききれなかった場合はどうなるのでしょうか。
引ききれない分は「調整給付金」が支給される
もし12月に減税を受けてもなおすべての金額を減税しきれない場合は「調整給付金」が対象者に支給されます。調整給付金は「定額減税しきれないと見込まれる人」を対象に、住んでいる自治体から直接支給されます。
一部の自治体では、すでに給付の準備をしているところや給付済のところもあるようです。例えば、東京都府中市では6月中に調整給付金に関する必要書類を発送、最短で7月26日には振込を始めるとしています。
調整給付金の支給額は「減税しきれなかった分を1万円単位で切り上げた金額」です。端数が切り上げられるため、実質減税額は定額減税よりもやや増えます。収入が少なく税負担が重くない人や、扶養親族が多い人は、調整給付金の対象となる可能性が高いです。
調整給付金の受け取り方法
調整給付金は、自治体から案内や書類が送られてきます。そのため、基本的には自治体の指示に従って受け取ることとなります。
過去に給付金などを受けた経験があり、自治体が口座情報をおさえている人や公金受取口座を国に登録している人は、申請が省略される場合があります。自治体から調整給付金の支給案内が届くため、内容を確認したうえで振り込まれるのを待ちましょう。
銀行口座の登録がない人は、給付金の申請が必要です。自治体から送られてくる書類をよく確認し、指示に従って記入してください。記入後は自治体に返送し、給付金が振り込まれるのを待ちます。申請期限までに書類を返送しないと、調整給付金が受け取れず減税の恩恵を受けられません。必ず申請期限までに書類を提出してください。
定額減税の恩恵は確実に受けられる
定額減税の対象となった人は、確実に減税を受けられます。減税しきれない分は翌月以降に繰り越されたり調整給付金が支給されたりするため「本来減税されるはずだった分が引かれなかった」ということはありません。
6月中に減税しきれなかった分は、7月以降に繰り越されて差し引かれます。「減税額が思ったよりも少なかった」と感じた人は、7月の給与明細や自治体からの調整給付金の支給案内を見逃さないようにしましょう。
出典
内閣官房 定額減税・各種給付の詳細
府中市 定額減税補足給付金について
内閣官房 「定額減税しきれないと見込まれる方」への給付金(「調整給付金」)のご案内
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP