更新日: 2024.07.17 控除

投稿した俳句が「特選」に!賞品の「10万円分の商品券」をそのまま受け取っても税金は発生しませんか?

投稿した俳句が「特選」に!賞品の「10万円分の商品券」をそのまま受け取っても税金は発生しませんか?
コンテストなどで俳句や川柳が公募されることがあります。入賞すると、賞品や現金が贈られることもあるでしょう。今回のケースのように多額の現金や商品券などが当たるとうれしいですが、現金や商品券の額面をそのまま受け取れるかというと、実はそうとも限らないようです。
 
本記事ではコンテストで受け取る賞金や賞品と、税金の関係について解説します。趣味で俳句のコンテストによく応募する人や、最近応募したコンテストで入賞した人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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懸賞やコンテストの賞金や賞品は源泉徴収の対象になる?

国税庁によると、「個人に対し、広告宣伝のための賞金等を支払うときは、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません」と定められています。
 
ここでいう「広告宣伝」には、「事業を営む個人や法人が、製品や事業の内容を広告宣伝するための賞金や賞品」、また「素人のクイズ番組や素人のど自慢の賞金や賞品」などが含まれます。
 
今回のように俳句が公募される場合、もし俳句やそのコンテスト自体が企業の商品や会社PRに使われるなど広告宣伝に関係するものであれば、源泉徴収の対象になるケースがあるでしょう。ただしこの際、賞金額を考慮しなければなりません。
 

50万円以下の賞金額は控除される

もらう賞金や賞品が広告宣伝目的のものであり、源泉徴収の対象になるとしても、賞金等の額によっては源泉徴収されません。国税庁によると、懸賞や福引の賞金品などは「一時所得」として処理されます。所得税法第34条第3項によると、一時所得の特別控除額は「50万円」です。
 
そのため今回のケースのように10万円の商品券であれば、広告宣伝目的という意味では源泉徴収の対象になるとしても、金額的には源泉徴収の対象外になります。
 
よって、原則10万円分の商品券全額を受け取ることが可能です。ただし、そのほかの一時所得との合計が50万円を超える場合は、確定申告の対象となります。
 

源泉徴収の対象にならない公募や賞品

賞金額以外でも、源泉徴収の対象外となるケースがあります。例えば、交通安全標語を募集して賞金を支払うなど、国や地方公共団体の広報目的で渡される賞金については対象外です。
 
また広告宣伝に使う目的で公募が行われるとしても、賞品が「旅行」であれば原則賞金としてカウントされず、源泉徴収は行われません。対象となるのは、現金や物品(物品は価額が賞金額)のようです。
 

源泉徴収される場合の計算

源泉徴収が必要な場合、以下の通り計算されます。
 
・「現金」の場合:(賞金額-50万円)×10.21%
 
賞金額が100万円なら、50万円×10.21%で5万1050円が源泉徴収される計算です。
 
・商品券や貴金属など「賞品」の場合:(賞品の評価額-50万円)×10.21%
 
賞品の評価額は、商品券やギフト券は「券面額」で判断されます。10万円の商品券は「10万円」が評価額です。株式や貴金属・不動産などは、受け取った日の価額となります。またそれ以外のものについては、その物品の通常小売販売価額の60%相当額です。
 
なお源泉徴収された分は、確定申告することで戻ってくる場合があります。戻ってくるかどうか、戻ってくる場合はどれくらい還付されるかは、ほかの所得状況にもよって変わるでしょう。
 

公募の目的や賞金額などにより受取額は異なる

公募でもらえる賞金や賞品が源泉徴収の対象になるかは、公募の目的や賞金額などによって変わります。少額であれば、特別控除額50万円があるため、全額受け取れる可能性が高いです。
 
また広告宣伝目的でない賞金額についても、源泉徴収の対象外になると考えられます。いずれにしても、源泉徴収の有無や還付金などについて明確にしたい場合は、税務署などに問い合わせるとよいでしょう。
 

出典

国税庁 No.2813 広告宣伝のために支払う賞金等
国税庁 No.1490 一時所得
e-Govポータル 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二編 居住者の納税義務 第二章 課税標準及びその計算並びに所得控除 第二節 各種所得の金額の計算 第三十四条(一時所得)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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