増税が続き、煙草が1箱「1000円」になったら、20年でどれだけのお金がかかるでしょうか?
配信日: 2024.07.23
本記事では、たばこが1箱1000円になった場合の負担について解説します。また、たばこ税の現状や増税の必要性などについても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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たばこが1箱1000円になった場合の費用
現在の価格と1箱1000円になった場合のそれぞれにかかる費用を比べ、どのくらい負担が増えるかみていきましょう。
現在の価格(580円)のたばこを1日当たり1箱消費するものとして、20年間購入した場合は、次のようになります。
580円×30日=1万7400円(月間)
1万7400円×12ヶ月=20万8800円(年間)
20万8800円×20年=417万6000円(20年間)
次に、1箱1000円のたばこを同様に購入した場合は、次のようになります。
1000円×30日=3万円(月間)
3万円×12ヶ月=36万円(年間)
36万円×20年=720万円(20年間)
1箱1000円になった場合、現在の価格と比べると約300万円近くも負担が増えることになるのです。月間で見た場合には約2倍の負担額となっているため、今までの家計に少なからず影響があることが考えられます。
また、現在の価格でも年間約400万円の負担となっているため、禁煙することによって大きな節約になることがわかります。
たばこ1箱あたりの税負担割合
たばこに税金がかかっていることは分かっていても、どんな税金がかけられているかということまでは知らない方も多いのではないでしょうか。
たばこには、消費税に加えて、たばこ税、たばこ特別税、道府県たばこ税、市町村たばこ税がかけられています。表1で、それぞれの税金の割合についてみていきましょう。
表1
小売定価 | 消費税 | 国税 | 地方税 | 合計税額 | 負担割合 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
たばこ税 | たばこ 特別税 |
道府県 たばこ税 |
市町村 たばこ税 |
||||
580円 | 52.73円 | 136.04円 | 16.40円 | 21.40円 | 131.04円 | 357.61円 | 61.7% |
表は財務省「たばこ税等に関する資料」を基に筆者が作成
たばこ税の現状
日本のたばこ税は、2018年から2022年の増税後であっても世界的にみて安い税額となっています。2010年の値上げの影響を受けて禁煙者が増加しましたが、日本の喫煙率は高いままに留まっているのが現状です。
1箱あたり約100円もの値上げが行われた2010年の増税では、一時的に販売が大きく減少しました。しかし、数ヶ月で回復し、税収は+ 4%の800億円となっています。
たばこの増税はなぜ必要?
たばこの増税は、多くの国々において喫煙開始の防止や禁煙の効果があるとされています。
また、たばこを増税することによって1箱あたりの値段が高くなったとしても、ニコチンへの依存性は高いため、需要は減少しないとされています。つまり、たばこを増税しても税収の増額が期待できるのです。
そのため、禁煙を推進するためには、たばこ増税だけでなく、受動喫煙対策や禁煙支援といった政策と組み合わせることが大切です。禁煙を促すほかの政策と増税をセットにすることで消費抑制効果が高まります。
日本のたばこは、世界各国のなかでも安い価格となっています。増税によって禁煙の動機を与えることで、消費抑制効果が及ぶのです。
たばこ増税はWIN-WINな政策
たばこ増税は、増税とほかの禁煙に関する政策とを組み合わせることによってたばこ消費が減ることになり、喫煙者の健康や公衆衛生上のメリットがあるのが特徴です。さらに、たばこからの税収増が見込まれるため、政府にとっても利益があることからWIN-WIN政策といわれています。
また、たばこの価格が高くなることで、青少年や低所得者層の消費が減少します。これによって、社会全体の喫煙が原因となる病気や死亡が減り、医療費の抑制や労働生産性の向上などが期待されているのです。
たばこの増税と聞くとデメリットばかりが気になりますが、社会全体でみた場合には多くのメリットがあり、国民の生活や健康を守るためにも必要な政策とされています。
出典
財務省 たばこ税等に関する資料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー