円安で外国人観光客が増え、街中に「免税店」があるのを知りました。なぜ外国人だけ免税されるのでしょうか?

配信日: 2024.07.24

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円安で外国人観光客が増え、街中に「免税店」があるのを知りました。なぜ外国人だけ免税されるのでしょうか?
空港だけでなく街中で、免税店や免税扱いになる店舗を見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。海外の免税店で買い物をしたことがあり、日本国内でも同様に免税になるのではないかと考える人もいることでしょう。
 
しかし、免税で買い物ができるのは、一定の条件に該当する人のみです。原則として日本国外から来日した外国人が免税の対象となっているので注意してください。
 
本記事では、免税店や免税で購入できる物、免税の対象となる条件などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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免税店とは?

免税店とは、その名のとおり免税品を取り扱うお店です。外国人などの日本国外に居住する人に対し、特定の物品の消費税や輸入時に課税対象となる税金などが免除されます。
 
免税になる理由は「購入した商品が日本国内で消費されない」からです。税金の免除によって本来よりも安く買い物ができるため、日本を訪れる外国人観光客が有効活用したい店舗と言えるでしょう。なお、免税店は空港や繁華街といった、外国人観光客が立ち寄る可能性が高い場所で営業するのが一般的です。
 
なお、免税店を営む際には、納税地を管轄する税務署長の認可を受けなければなりません。免税店をオープンしたい場合は、所定の手続きを行うことが前提となるため、注意してください。

 

免税で購入できる物

通常生活に使用する物品を免税で購入できます。免税品は、図表1のように一般物品と消耗品に分類されており、原則として金や白金は免税対象外です。
 
【図表1】

免税対象となる物 免税の適用範囲
一般物品 家電製品、カバン・靴、洋服、着物、時計・宝飾品、おもちゃ、民芸品など 非居住者1人につき同一店舗における1日の販売合計額が5000円以上
消耗品 食品、飲料、果物、タバコ、化粧品、医薬品など ・非居住者1人につき同一店舗における1日の販売合計額が5000円以上、50万円以下の範囲内
・指定された方法で包装がされている(日本国内で消費されないため)

※消費税免税店サイト「免税店とは」より作成
 
ただし、消耗品のうちお酒は、1本760ミリリットルのもの3本まで、タバコは紙巻たばこが200本まで、香水は2オンス(56ミリリットル)までという個別の条件が設けられている点に注意してください。

 

免税の対象となるのは日本国外から来日した外国人

観光庁は、免税の対象になるのは非居住者である旨を伝えています。外国人をはじめ、外国政府または国際機関の公務を帯びる者など、観光やビジネスなどの目的で日本国外から来日した人が対象であると考えてよいでしょう。
 
ただし、外国人でも日本に入国してから6ヶ月以上経過していたり、日本国内にある事務所に勤務していたりする場合は、非居住者には該当しません。

 

一定の要件を満たせば日本人も免税の対象

実は外国人だけでなく一定の要件を満たす日本人であれば、非居住者に該当して免税の対象になります。日本人でも非居住者に該当して免税の対象になる人、または免税の対象にならない人の違いは以下のとおりです。
 

・非居住者:日本法人などの海外支店や現地法人、駐在員事務所などに勤務する目的で出国して海外に滞在する者、2年以上海外へ滞在する目的で出国して海外に在住する者、日本出国後に海外へ2年以上滞在するに至った、事務連絡や休暇のために帰国して、その滞在期間が6ヶ月未満である
 
・居住者:日本の在外公館への勤務目的で出国して海外に滞在する者

 

沖縄県は特定免税店制度によって日本人も免税の対象

日本国内でも沖縄県は特定免税制度によって、沖縄県から沖縄県以外の地域へ出域する日本人も免税の対象です。
 

・対象商品:沖縄地区税関長の承認を受けた小売業者から購入し、沖縄県以外の日本国内の地域へ持ち出す商品、1人20万円の購入金額を限度として関税が免除対象になる
 
・購入場所:空港内の施設、旅客施設および市中の特定販売施設など

 

免税になる条件を正しく理解しておこう

街中の免税店を利用してほしい物をお得に購入したいと考える人も多いことでしょう。
 
免税対象になるのは非居住者に該当する外国人や日本人となり、普段日本国内で生活している人は含まれていません。免税の対象となる条件は細かく設定されているので、間違った解釈をしないためにも事前に詳細を確認しておくとスムーズです。

 

出典

観光庁 免税店とは
沖縄地区税関 沖縄型特定免税店制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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